76 ≪the past≫ ページ27
その日もいつものように仕事帰りに松屋食堂で落ち合う約束をしていた。
しかし仕事でトラブル発生。
自らの伝達ミスで上司と代理店の板挟みになり、最終的にはセンター内を巻き込んでの騒動となってしまったのだ。
代理店へのお詫びには先輩の横田さんが同行してくれた。
「だいたい、前々から思ってたんだけど大野くんはやる気あるの？
君は代理店のこと下に見てるよね？」
代理店の店長にはクドクドと説教をされ、チクチクと嫌味も言われた。
その度に横田さんも一緒になって頭を下げてくれた。
この調子じゃ翔くんとの約束の時間には間に合いそうにない。
やっと解放された頃にはすでにその時間は過ぎていた。
「今日はすみませんでした。
こんなことに付き合わせてしまって・・・」
「そんなことないよぉ！」
手を振って横田さんは否定する。
「大野くんも疲れたでしょ。
柏木店長、話がクドくて長いから」
「でも原因は自分にありますから・・・」
「じゃあ、これからパーッと飲みに行かない？」
横田さんがポンッと俺の肩を叩く。
きっと俺を元気付けようと、気を使っているのだろう。
「どう？」
「あ、いや・・・あの、実は先約があって・・・」
先輩の厚意を無下にするのは気が引けたけど、俺は翔くんを優先してしまった。
「ああ、そうなんだ！
ゴメンね〜、引き留めちゃって」
でも彼女は特段気にする様子もない。
結局、横田さんとはその場で別れた。
翔くん、待ちくたびれてるんじゃないかな・・・。
彼のことだ。
きっとまだ食べずに俺のことを待っているに違いない。
翔くんはそういう律儀な男なのだ。
店に向かいながら翔くんに電話をした。
ところが何度コールが鳴っても出る気配はない。
念のため、松屋食堂にもかけてみた。
『はーい、松屋食堂でーす』
電話越しに潤の声。
「あ、俺だけど、翔くんいる？」
『ああ、智か。
翔くんなら今日は来てないぞ？』
「え？そうなの？」
『そうだけど？』
「おかしいなあ・・・」
『用がないならもう切るぞ！』
今忙しいから、と潤は素っ気なく電話を切った。
自宅の電話にかけてみたけど、やっぱり翔くんには繋がらない。
翔くんはどこへ行った？
不思議に思いながら、改めて携帯を見てみる。
すると今さらながら翔くんからメッセージが届いていたのに気付いた。
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なつ(プロフ) - 花咲*さん» 花咲*さん、おはようございます！いつもご愛読ありがとう♪しかもいつも感情移入して読んでもらえて感謝感激！この辺で泣いてちゃダメですよ〜！まだ泣き所はご準備してますから。どうぞお楽しみに！！ (2019年10月6日 7時) (
レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
花咲*(プロフ) - ｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡こんな別れ方を二人はしていたのかと思うと切なくて切なくて泣けてきます。なつさんのお話で泣いてばかりですがやっぱりなつさんのお話大好きなので読んでしまいます！その後翔君どうやって生活していてのかも気になるしこの後の展開が楽しみです。 (2019年10月5日 15時) (レス) id: fe81ade62f (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - まったりやさん» まったりやさん、こんばんは！切なさいっぱいの過去がとうとう明るみに( ﾉД`)これからまた現在編へ戻り、掛け違ったボタンの行方をお楽しみ下さい。ただ今、移行準備の真っ最中です。しばしお待ちを！ (2019年9月11日 1時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
まったりや(プロフ) - なつさん、お久しぶりです。切なさと切なさと切〜な〜さと〜♪…あぁ〜大変な過去の出来事ですね〜！お互いの罪悪感と遠慮からなのか、ボタンの掛け違い心のすれ違い…。でも、ここからの展開が、なつさんの作品のクセになるところ。続きを楽しみに待っています。 (2019年9月9日 13時) (レス) id: 6d900dafd3 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - smsさん» smsさん、こんばんは！ご無沙汰してます♪とうとう智くんやってしまったよ（泣）この裏切り行為が後の現在編にどう繋がっていくのか、お楽しみに〜！翔くん、記憶を無くしたままも辛いけど、記憶が戻っても辛いね(´；ω；`) (2019年9月3日 23時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ
| 作成日時：2019年6月11日 0時
