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外へ出ると、木枯らしが吹きさらし寒さが身に染みた。
コートの襟を立てポケットに両手を突っ込み、歩き出そうとしたその時だった。
「ちょっと待って！」
店のドアが開き、中から出てきたのだ。
あの御曹司が。
「あ、ごめんね。
急に呼び止めたりして」
彼は申し訳なさそうに俺に謝る。
でも俺は何も返事出来ずにいた。
だって至近距離で見た彼の顔があまりにも綺麗だったから・・・。
松本さんも同じように整った顔立ちではあったけど、御曹司にはさらに清潔感のある爽やかさがあった。
「あ、あの・・・大丈夫？」
「えっ？」
すっかり見惚れていた俺に御曹司が心配そうに声を掛ける。
「これ、あなたのじゃない？
さっき落としたの見えちゃったから」
「え、ああ・・・」
御曹司がはい、と手渡したのは社章。
慌ててスーツの襟元を見ると確かにそれはなくて。
「すみません、助かりました」
頭を下げながらそれを受け取る。
すると、彼はクスッと笑って俺に言った。
「どういたしまして、大野智さん」
咄嗟に顔を上げる。
彼はにこやかに俺を見ていた。
「どうして俺の名前を・・・」
「さっき松本くんたちと話してたでしょ。
その時、聞こえたから」
「ああ・・・そうなんですね」
合点がいき、取りあえず社章をポケットに仕舞いながらもう一度礼を言う。
そして「それじゃあ・・・」と踵を返した。
「待って！」
でも御曹司にまたもや足止めを食らう。
今度は手首を掴まれて強引に。
「もう帰っちゃうの？」
「ええ、まあ・・・」
「だったら俺に付き合ってよ」
「はあ？」
何言ってんだ？
この御曹司は。
「二人きりで飲み直さない？」
「はあ？」
呆気に取られている俺なんてお構いなしに御曹司はこちらにグイグイ詰め寄る。
そして思わず目がクギヅケになってしまいそうな笑顔で俺に言った。
「俺、どうもあなたに一目惚れしちゃったみたい」
だからずっと俺のことを見つめていたのだと彼は言葉を添える。
「・・・はい？」
それは俺の人生最大の「はい？」。
驚きのあまり目が点になる。
棒立ちで絶句の俺と、キラキラ笑顔の御曹司。
そんな俺らの間を冷たい木枯らしがヒュルヒュルヒュル〜・・・と吹きすさんだ。
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なつ(プロフ) - satoshiikoさん» satoshiikoさん、おはようございます！すみませんでした！！リンクを貼り間違えていたようで・・・。しまし今は修正済みです。ご迷惑をおかけしました。不穏な空気が漂っていますがパート2もよろしくです！ (2018年7月21日 7時) (
レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - なつさん、移行したら最初に逆戻り、グルグルグルグルしちゃいましたよ。でも、ちゃんとパート２も読みました。山の日も近いというのに、よくない展開が、、。 (2018年7月20日 14時) (レス) id: 6dba7c15f5 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - alisaさん» alisaさん、こんばんは！約束を守らなかった翔くんは謎ですが、もうしばらくお待ち下さいね。もちろんちゃんとタあかしはしますから！！ (2018年7月20日 0時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - コッペさん» コッペさん、こんばんは！(｀･З･´)さんやけに素直で気になりますよね。翔くんサイドのお話しはもう少し先になりますです。最後までどうぞお付き合い下さいね☆ (2018年7月20日 0時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - ココロンさん» ココロンさん、こんばんは！俺様翔くんは多忙につき、今はちょっとお休み中。今はなんだか切ない感じですが、最後までどうぞよろしくお願いします☆ (2018年7月20日 0時) (レス) id: 3dbb952a56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつ
| 作成日時：2018年6月20日 2時
