all for “YOU” 〜君の罪、僕の嘘〜 2 【山】

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本当にいいのか？



「お前たちに会わせてほしいって頼まれた」



俺たち五人で再会しても。



「智くんが五人で会って本当のことを話したいって。
そしてあの日のことを謝りたいって言ってたんだ」


「あの日のこと・・・」

雅紀が遠い目をして呟いた。


「うん。どうしてあの日、あんなことをしたのかちゃんと話したいって」

「本当にリーダーがそんなこと言ったの？」

「雅紀、何言ってんだよ！
智くんはちゃんと言った。みんなに会いたいって」


なぜか納得出来ないといった表情で何やら考え込んでいるような雅紀に、しっくりしない思いを抱えつつも続けた。


「みんな会ってくれるだろ？」

「でもさあ、翔くんが最初に病院で会った時、リーダーは俺らに会う資格はないから会えないって言ってたんだろ？
それが急にどうして会って話そうって思い立ったんだろう？」

「それは俺にも分からないよ・・・」


そのことについては俺も同じことを考えていた。




『智くん、本気なの？』


元旦の夜。
初詣の帰りの参道で智くんは何かに駆り立てられるかのように、五人で会いたいと言い出した。

俺が本気なのかと問い質すと、今にも泣きそうな顔をしながら彼はこう言った。


『全部話して、もう全てを終わりにしたい』と・・・。




「いろいろ思うところはあるだろうけど、会ってくれないかな、智くんに」


三人は黙ったままおもむろに頷いた。



正直、まだ迷いはあった。
五人で再会することで、また智くんに不調が起きたらと思うとゾッとする。

でも意を決して真相を話そうとした彼の訴えを願い下げすることなんてやっぱり俺には出来なかった。



だから俺たちは約束をした。

どんなことがあっても彼を責めたり非難せずに受け入れようと。




一週間後、とうとう智くんの口から『あの日』の真実が語られる。

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