独立独歩のえいりあん 2 (ページ9)

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先生のいざこざに巻き込まれる話ページ9

※DADAの先生が2人もいるというトンデモ設定です。
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「サクラバさん、緑茶の味はいかがです？」
「美味しいです～」
「えぇそうでしょう。私が休暇中直々に日本へ赴き最高品質の物を購入したのですからね。フッ、日本のファンの方々に囲まれ騒動になったのも良い思い出です」
「へー」

あーあまた始まったよロックハート先生の自慢話。週に数回行われる研究室でのこのお茶会は、大体先生が自慢話を聞いてほしいときに開かれる。
まあお茶とお菓子をタダでご馳走してもらえるからいいけど。

今回のお茶はなんと玉露だそうだ。そしてお茶請けは金箔が散りばめられた羊羹。どちらも中々の高級品だ。上品な甘さと口当たりが実によきである。

というか会う度に日本に染まりつつある先生に驚きだ。緑茶も魔法ではなく彼自身が急須を用意して淹れていた。
ロックハート先生と日本、一見対極的で合わなそうに見えて意外に合っているのかも。

羊羹を咀嚼しながら先生の自慢話を聞き流していると、不意にコンコンと入口のドアがノックされた。

「ティータイム中に失礼します、ロックハート先生」

愛想良さげに挨拶しながら入ってきたのはリーマスだった。

「あぁ、ルーピン先生ではないですか！珍しいですね、此処に来るとは。私に何かご用でも？」
「いえ、ロックハート先生ではなくて、そちらのMiss.サクラバの方に」
「え、わたし？」

何の用だろうか。補習か？いや、そんな予定はなかったはず。

「しかし、今彼女は見ての通り私と茶会をしておりまして。急を要する事でなければ、後々でもいいのでは？ねぇ、ルーピン先生？」

好戦的に片眉を釣り上げ、ロックハート先生がリーマスへ尋ねる。普段は穏やかな(例外を除く)リーマスはこれで引き下がると思ったのだが、彼は変わらない愛想笑いを浮かべるだけであった。

「急を要する用事ですので、お願いします」
「おやおや、何だかお顔が少しお怖いですねぇ」
「はは、元々こんな顔ですよ」

見えない恐ろしさというか何というか、変な空気が2人の間に漂う。やだ大人怖い。
暫く2人は互いに表面的な笑みを見せ合ったが、ロックハート先生が呆れたようなため息を吐いたことで終わった。

「そうですか、それは大いに結構。ではサクラバさん、今日のお茶会は終了ですよ」

「あっはい」

変に緊迫していた雰囲気から解放され、私はようやく心の平穏を取り戻した。

(贔屓はいけませんねぇ、先生)
(それは貴方もでしょう、ロックハート先生)