独立独歩のじゃぱにーず 3 (ページ8)

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不機嫌な雰囲気を纏ったセブルスが大広間から去ったのを見届けると、隣で話を聞いていたマリーちゃんが訝しげな顔をした。

「何よスネイプの奴。感じ悪いわね」
「なんか嫌なことでもあったんじゃね？知らんけど」
「最近になって彼は更に感じ悪いわ。エイブリーとマルシベールのせいよ。きっと」
「誰それ」
「あいつらよ」

「同じスリザリンなのに何で知らないのかしら…」というマリーちゃんの小言を右から左へ流しながら、指し示された彼らの姿を盗み見る。

エイブリーは知っている。前にリーマスと私を茶化しにきた意地の悪い少年だ。
マルシベールとやらは名前こそピンときていなかったが顔を見れば覚えがあった。確かにあの2人は最近セブルスと行動しているのを見かける。
セブルスが男子同士で仲良くしているのは普通のことだと思うのだが、どうやらよろしくない何かがありそうだ。

「あいつら、陰で他の寮の生徒たちをいじめてるのよ。その現場を見たっていう子もいたし」
「よく問題にならないね」
「いじめられたって言えないような気弱な生徒ばかりが狙われてるの。口止めもされてるそうよ」
「なるほどー」

確かにそんないじめっ子2人とセブルスが絡むのは、彼のビックフレンド(自称)の私としてもあまりよろしくない。
だが、セブルスの交友関係に口出しをするのも正直どうかと思う。いやでも、親友として遠回しに伝えることも必要じゃないか？

口出しするかしないかでうんうんと悩んでいると、気難しい表情をしたマリーちゃんがボソッと私に耳打ちした。

「それにね、あの2人はスリザリンの中でも特に闇の魔術に対しての興味が強いらしいの」
「ただ単に好奇心っていう可能性もあるんじゃ…」
「でも彼らの家も、例のあの人との繋がりがあるかもって専らの噂だわ」

そう言われると何とも言えない気持ちになる。もしかしたらセブルスにも危害が及ぶかもしれないと思うと、無視するにも出来ない。

「スリザリンは純血主義の思想が強いけど、あの2人は筋金入りよ。Aも何かされないように気をつけて」
「下手したら死ぬとかってありそう？」
「可能性はゼロではないわね。Aはマグル出身だし、口封じのために事故を装って…とか」
「それ洒落にならんて」

死喰い人の前にあいつら2人に殺されそうだ、と若干の寒気がした。
悪い想像を振り払うように、私は残りのスープに口を付けた。
味が薄い冷めたスープはまっったく美味しくなかった。