見廻り組一番隊隊長の愛

三十一話 ページ33

「…高杉ィィ！？」









トシの驚く声を聞きながら私はうん、と頷く









「…お、ま…っ！てめ、何でわざわざアイツのことかぎまわってんだよ！？」





……やっぱり怒ってるかぁ





「…気になるんだもん」






「浮気か？許さねぇぞ」









グッ、と距離を縮められて思わずどきっと胸が高鳴る







…いつ見てもトシの至近距離は慣れない、格好良すぎるんだ






「…違う、ただ…ただの犯罪者じゃない気がするんだ。トシも…分かるでしょ？」






「…知らねぇよ。俺から言わせてもらうと犯罪犯してる時点でただの犯罪者だ。アイツの信念とやらは知らねぇがお前は引き込まれんじゃねぇ」








ぐっ、と後頭部を押さえられて何時もより乱暴に唇を合わせられた







「っ…んぅ、んぅう…っ、ん、ふ…」









くちゅ、と口端から唾液が溢れ落ちるのを感じる。そのまま押し倒されて制服のボタンを一つ外された







「…っあ、だめっ、トシ！も、すぐえっちなことしようとする…」







トシの黒い髪を撫でながらそう言うと、不機嫌そうな声が返ってきた









「そろそろ…お前を繋ぎとめてぇよ。俺から離れられないように」







「…？離れないよ？なんで、そんな不安そうな顔しないで」








…ふふ、かわいい。何時もの野性味溢れるトシも素敵だけど少し落ち込んでるトシも素敵、と不謹慎なことを考えた









「…愛してる。A」



「私も、愛してるトシ」








恋人という特別な関係に私は幸せを噛み締めた

三十二話→←三十話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す