二十六話 ページ28
「……よく来ましたね、Aさん」
「……こんにちは。今日も貴方に話があって来ました。率直に言います。私と婚約を解消してください」
きっぱりとそう告げたAに佐々木は馬鹿にした様な笑みを深くした
「貴女にそんな権利があると?貴女は任務に失敗をしたあげくに腹も斬らずに金まで貰ったのですよ?どこにそんな権利があると」
「……確かに私は武士の恥かもしれません。だったら私は見廻り組を辞めます、お金も全額とっておいてあるので返します。それでいいでしょう?」
緊張を隠しきれずに少し声が震えたAは正面から睨み付けるように佐々木を見た
それに佐々木は笑うと、刀をAに向けながら思いがけないことを言ってみせた
「……私は別に貴女じゃなくてもよかったんですよ。この意味が分かりますか?……恥ずかしいのは私だったんです、貴女に想いを寄せていながら他の女性と婚約を結ぶことになり、その女性の護衛を任せると言う愚行をし……」
その佐々木の言い方にゾッとした
嫌な予感が頭から離れずにぐるぐると回っている
まさか、まさか……?
Aは自身が喉がからからに乾いて声が出なくなりそうなほど緊張していたことに気付いた
「……私が殺したんですよ。あの方を」
貴女と婚約をするために
そう言った佐々木に、気付いたらAは刀を向けていた
「………貴方はやはり冷徹で狂ってます。そんなことのために……あんな美しい人を殺しただって…?ふざけんのも大概にしてくださいよ!!貴方は……っ」
悔しさと怒りと軽蔑、そして罪悪感がAを襲い、刀の剣先が震えていた
「……貴女を解放します。ここに残りたければ今の私とのことは忘れなさい。真選組に移行するのであれば私をいつでも殺しに来てください、いつでも待っていますから」
何時もと変わらない冷徹な笑みを浮かべた佐々木は静かに出ていった
Aは動くことが出来ずにいた
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マピト - 暇だ… (2019年3月3日 12時) (レス) id: 35c7a50c29 (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 不定期更新ごめんなさい…… (2018年12月12日 20時) (レス) id: bde79dd3ad (このIDを非表示/違反報告)
マピト - Shiro兎さん» 更新頑張ります!! (2018年10月16日 16時) (レス) id: f38246cde8 (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 感想ありがとうごさいます!Shiro兎さんの作品もとっても大好きです!お互い更新頑張りましょう! (2018年10月16日 16時) (レス) id: f38246cde8 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro兎(プロフ) - この作品マジで好きです…控えめに言って超好きです!更新頑張ってください! (2018年10月15日 19時) (レス) id: 00438dbadd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マピト | 作成日時:2018年5月21日 17時