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二十三話 ページ25

無機質な機械音が部屋中になり響いた









一定の速度で鳴るソレは生命を感じさせてくれない







その音が土方の不安を更に煽ることとなっていた









「……土方さん。見廻り組は今来れないそうで…」






「……あいつらがこんな目にAを合わせたのにかよ?……ふざけんじゃねぇ!!」









ガン!と大きな音を立てて机が揺れたがAが起きることはなかった







「……Aさんが大事なのも分かりますけど…真選組はどうなるんですか」








「……うるせぇ、俺が居なくてもあいつらはやれる」






「……そうしてAさんが起きるのを待ってるんですか。貴方は恋人でもなんでもない。Aさんはもう佐々木の婚約者なんですよ!?」









その言葉に土方は悔しそうに唇を噛み締めながら立ち上がった





そして必死な目をしている山崎を思いきり固めた拳で殴った




それに山崎は苦しそうに顔を歪めながらも自らも戦闘体勢に入る








「……テメェ…んなのわかってンだよ。お前に言われなくても…」









そう言いながらまた殴ろうとしたとき、小さな音が二人の耳に届いた









「……ト、シ…!山崎くん…!ここ、病院、だよ?君達、そんなのも、知らないの…?」









驚いてベッドを見るとそこにはニヤリと馬鹿にしたように笑っているAがいた









「……あ、やべ。チューブみたいなの抜いちゃっ……」






「……A。好きだ、愛してる、だから……俺の側から離れんな…!」









苦しいくらいに抱きとめられたAは驚きに目を見開くが次の瞬間には悲しそうに笑っていた









「…ごめん。私、それは出来ない。トシに応えられないんだ」








「……そう言うのは分かってたからな。無理矢理にでも連れていく、お前の意思なんざ関係ねぇ、もうお前に返事は聞かねぇ、お前を……浚うぜ」









「……強情な人は嫌いじゃないよ……むしろ大好き。だけど……もう少しだけ待ってて」









きっと、あと少しだから。









そう言って離れていくAに手を伸ばしたが、掴むことは出来なかった









何故ならそこには弱々しく落ち込んでいるAなんて何処にも居なく、刀を手にした見廻り組一番隊隊長が居たから

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マピト - 暇だ… (2019年3月3日 12時) (レス) id: 35c7a50c29 (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 不定期更新ごめんなさい…… (2018年12月12日 20時) (レス) id: bde79dd3ad (このIDを非表示/違反報告)
マピト - Shiro兎さん» 更新頑張ります!! (2018年10月16日 16時) (レス) id: f38246cde8 (このIDを非表示/違反報告)
マピト - 感想ありがとうごさいます!Shiro兎さんの作品もとっても大好きです!お互い更新頑張りましょう! (2018年10月16日 16時) (レス) id: f38246cde8 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro兎(プロフ) - この作品マジで好きです…控えめに言って超好きです!更新頑張ってください! (2018年10月15日 19時) (レス) id: 00438dbadd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マピト | 作成日時:2018年5月21日 17時

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