見廻り組一番隊隊長の愛

二十話 ページ21

「………ん、くっ…！ぁ…！？」









土方の自室につれこまれいきなりキスをしてきたかと思った途端、自分の首が苦しいことに気付いた








「……ぐ、ぅーー！ト、シ……な、に……！」









信じられない、信じたくないことに土方が自らの首を両手で締め上げていることに気付いたのだ







苦しさや悲しさ、そしてほんの少しの嬉しさが込み上げて涙が溢れる









このまま………殺してくれれば。









私はトシをこっそり死ぬまで愛することも、伊三郎さんと結婚することから逃げられる









卑怯で酷い私を、この世界から無くして欲しい









「………ひゅ、ゲホッ！か、はっ…！ぁ、ぅ……」









突然苦しさから解放された驚きで土方を見ると、泣いていた









土方だけじゃない、Aも泣いていた









「………っクソッ……チクショウ、チクショ……！」









「…………私……トシに殺して欲しかったよ……ずっと…他の誰かに殺されるよりトシに殺されたかった」









今まで見たことがないような儚く、悲しそうに笑うAを見てアア、と泣くように笑った









「……俺も、テメェに殺されてェよ」









「……ははっ。好き、大好き、愛してる、殺されたい位、好きなの、に」









どうして私達は一つになれないのだろう？

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