【銀魂】ワンって鳴いてみろ

33 ページ34

突如開いた麩から、憎たらしい男が入ってくる



あのまま攘夷志士の男を逮捕して、連れてけばいいのに



どうして私までこうして連れていかれ


調書を取らされねばならないのだ





『だれが鳴くかっつーの！』




舌を出して、本気で嫌がるが



気にも留めず、土方さんの横に座った





『いいから落ち着け


まだ終わってねーんだ』





子供をあやすような言い方は癪に障るが


早く帰りたい為、黙って座り直す





『あの男とどうやって知り合った』




『声かけられたの



羽振りが良さそうだったけど、言葉遣いが隠していても荒いのが分かったから


攘夷志士かなあって、ね』




『それで、近づいたのか？』




『……向こうからよ



年齢とか質問されたから


私もお仕事何してるのって聞いたの



そしたらやっぱり攘夷活動してるって自慢げに話してた』




だから、良いカモだなって





『お前なあ……』





『別に私が何しようとも貴方がたに迷惑かけてないじゃない



……むしろ、逮捕の手伝いをしてあげてるのよ？』






こういうのは……えっと……



そう、おとり捜査だ。






『お前の助けなくても、こっちは粛清してるよ』





だから大人しくしてろ、と睨まれる

34→←32

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す