【銀魂】ワンって鳴いてみろ

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『ここに、一人でか？』



『そうよ


全部、私の土地』



いいでしょ、と笑ってやる



沖田総悟は興味があるのかないのか


ただ家を見つめていた





『こんなこと言うのは癪だけど



送ってくれてありがとう、沖田総悟』




これくらい感謝してる、と親指と人差し指をほんの少し感覚をあけて示す





『じゃーな……』



しかし、彼は顎に手を持っていき


私のことをジッと見つめた




『そういや、名前聞いてねーな』




『あー…言ってなかったかも



紺野A』




沖田総悟は紺野、と不思議そうに聞いたかと思ったら



私の家の表札を改めて確認した




『お前、これ『じゃ、バイバイ』




詮索されるのも嫌だから


彼の顔も見ずに家に入る





真っ暗の中、手探りで電気をつけた




ただっ広い家



一人で暮らすには充分すぎる部屋で


どうしようもなく疲れた私は寝転んだ




白く光る電球が眩しくて目を閉じるけど


瞼の裏にも、その輝きは通っていく




腕で目を覆って、溜息をついた私は


何故だか自嘲気味に笑ってしまった








……龍太郎さん



一人じゃあ、この家は寂しすぎるよ

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