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『あ、何か飲むの? 俺にもちょーだい』
そう言って彼は私に近づき、一緒に台所に立つ。コーヒー、紅茶と彼に見せていれば、神威さんはコーヒーを指差す。
お湯を沸かし、湯気の立つそれを「気を付けてください」という言葉と共に渡した。「ありがとう」と受け取る彼は、自分の座っているソファの横を叩く。
座れ、という意味のようで、私は神威さんの隣に座った。
『ソウゴのこと、まだ気にしてる?』
『いえ、大丈夫です』
二人して心配性だな、と思いながら、彼にも頑張って口角を上げて笑ってみせる。しかしそれを見抜くように私を見つめ、頭をゆっくりと撫で回した。
『バカだね、あの男は。不器用なんだ』
「許してやってよ」と言われるが、許さないなんてことはない。ただ、私は彼から「彼女」と肯定してくれる言葉が欲しいだけなのだ。
『……ねえ、ちょっとだけこうしてもいい?』
そう言って、神威さんは私に腕を回して抱きしめる。駄目だと離れようとするも、彼は私の耳元で囁いた。
「ソウゴは、彼女いないんだって」
この言葉が私の耳の奥で木霊していき、抵抗ができなくなってしまう。
更に彼は、またもや私を惑わせる言葉を吐いた。
『本当は今日、こうするつもりだったから』
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美空 - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした!これからも楽しみにしてます! (2017年8月29日 2時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ジュリさん» 最高ですか!! ありがとうございます! とっても嬉しいです! あんまりイチャコラを書かなかった作品ですが、ジュリさんがそう言ってくださったのなら良いです! 閲覧とコメントありがとうございました (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます! 淡々とした夏休みの小さな暇潰しにでもなってくださったら嬉しいです( ´ ∀`) 新作の沖田は甘々ですが、こちらでは書かなかった甘い沖田を書いているので閲覧よろしくお願いします!! (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - あぁ最高です! (2017年8月18日 13時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 凄く良かったです!夢中で読みました!新作も読ませていただきます!!! (2017年8月17日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月25日 11時