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『A、大丈夫アルか……?』
膝を抱えこみ、そこに顔を埋める私に心配そうな声をかけてくれる神楽。彼女とは大学は離れてしまっているが、こうして親友は続いている。
だからこそ、彼女から掛けられた声が余計に悲しくさせていく。
『うん、大丈夫だよ』
「元々素直な人じゃないから」
そう神楽に笑ってみせるも、彼女は困ったように眉を下げた。
机に広げたお菓子を私はポリポリと食べ始め、「美味しいよ」と神楽に差し出す。
しかし、私は驚いているのだ。彼との付き合いは、今年で三年目である。よくもまあ、神威さんにバレずにいたものだ。
そう考えると尊敬してしまうが、問題はそこではない。
私は、本当に彼の彼女なのだろうか?
他に女性の影があるような言動は見たことがないため、浮気は無いと言ってもいいはずである。
総悟さんの微笑む顔とか、意地悪そうに私を見てくる顔が頭の中に浮かぶ度、胸が苦しくなっていく。
私は三年も付き合っているにも関わらず、彼のことを余り知らない。好きな物、好きな食べ物は知っている。
でも私が言いたいのはそういうことではなくて、もっと、こう……総悟さんの、奥底のことだ。
『飲み物のお代わりもらうね』
コップを持って立ち上がり、神楽の部屋を出る。階段の手すりに掴まりながら降りれば、丁度リビングにはお風呂上がりの神威さんがいた。
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美空 - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした!これからも楽しみにしてます! (2017年8月29日 2時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ジュリさん» 最高ですか!! ありがとうございます! とっても嬉しいです! あんまりイチャコラを書かなかった作品ですが、ジュリさんがそう言ってくださったのなら良いです! 閲覧とコメントありがとうございました (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます! 淡々とした夏休みの小さな暇潰しにでもなってくださったら嬉しいです( ´ ∀`) 新作の沖田は甘々ですが、こちらでは書かなかった甘い沖田を書いているので閲覧よろしくお願いします!! (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - あぁ最高です! (2017年8月18日 13時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 凄く良かったです!夢中で読みました!新作も読ませていただきます!!! (2017年8月17日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月25日 11時