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『ねーねーソウゴ』
キャスターの付いている椅子で俺の方へ近づき、気味の悪い笑みを俺に見せてくる。
パソコンの画面から目を逸らさずに薄ら返事を返せば、こっちを向けと言うように椅子を引かれた。
『俺の妹の友達が、今日家に来てるんだって』
正直言ってどうでもよく、「へえ」と相槌を打つ。そんなどうでもいい話をするのは神威という男であり、俺の職場の同期だ。
確か、大学生の妹がいると以前言っていた記憶はある。
『会ってみない? その友達に』
『なんで』
『結構可愛い子だから』
「ソウゴも気にいると思うよー」と椅子を回転させ、数周回っては再び俺の方を向く。「別に良い」と返し、デスクの上の散らばった書類をまとめた。
『なんでよ、紹介したいんだ』
『知らねェよ』
神威は良い子だの何だのと、その女の特徴を楽しそうに指折りあげていく。しかし全く興味も湧かない。
『それに、ソウゴだって彼女いないでしょ?』
『あ? い……』
「いる」、と言おうとして俺は思わず押し黙る。
神威に「いる」なんて言ってしまえば、どいつだと聞かれ、会いたいなんて言い出すかもしれない。
彼女を知り合いだからと言って他の男に会わせる気にはなれないため、神威の問いに小さく頷いた。
『よし! なら家に来て!』
いつの間にか時計の針は定時の時刻を過ぎており、神威は俺の荷物を掴んでは立ち上がらせて背中を押していく。
顔を見るだけ、と言い聞かせ、俺は神威の家に行くことにした。
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美空 - 完結おめでとうございます!とても素敵な作品でした!これからも楽しみにしてます! (2017年8月29日 2時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ジュリさん» 最高ですか!! ありがとうございます! とっても嬉しいです! あんまりイチャコラを書かなかった作品ですが、ジュリさんがそう言ってくださったのなら良いです! 閲覧とコメントありがとうございました (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます! 淡々とした夏休みの小さな暇潰しにでもなってくださったら嬉しいです( ´ ∀`) 新作の沖田は甘々ですが、こちらでは書かなかった甘い沖田を書いているので閲覧よろしくお願いします!! (2017年8月19日 11時) (レス) id: 677c22d7bd (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - あぁ最高です! (2017年8月18日 13時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 凄く良かったです!夢中で読みました!新作も読ませていただきます!!! (2017年8月17日 23時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月25日 11時