貞子と俺の百物語｡

不注意｡ ページ8

俺(俺ら)はｶﾗｵｹ店を出て､原ﾁｬﾘに乗って家に帰るところだ｡

『原ﾁｬﾘってなんかｶｯｺ悪いから､ｽｸｰﾀｰって呼べば?そっちの方が強そう』

では改め｡
俺(俺ら)はｶﾗｵｹ店を出て､ｽｸｰﾀｰに乗って家に帰るところだ｡

うん!ｶｯｺｲｲ!

うん!ﾄﾞｳﾃﾞﾓｲｲ!

ｶﾊﾞﾝの中で開きっぱのｹｰﾀｲがうるさい｡

閉じないのは､俺の思いやり(嘘

にしても､この道路は視界が良く､事故なんて起きそうにもない｡

直線だし｡

おまけに時間帯的に､他の走行車がいないから､ついｽﾋﾟｰﾄﾞを出したくなる｡

こういう道って気持ちいい｡

……ﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

婆｡

その時､俺のｽｸｰﾀｰを追い越したのは､走っている婆だった｡

ｱ然｡

『ﾀﾞｯｼｭ婆だっ!!速い!!』

呆気に捕われていると､背後からﾊﾞｲｸのｴﾝｼﾞﾝ音が聞こえてきた｡

……ｷﾞｭｳﾝ!ｷﾞｭｳﾝ!!

更に俺を追い越したのは､ﾗｲﾀﾞｰ｡

ただし､首から上がない｡

なんなんだ一体｡

『首なしﾗｲﾀﾞｰ!!ｶｯｺｲｲ!!』

いつの間にか貞子が後ろに乗っていた｡

怖っ｡

都市伝説の2人は､直線道路を走って行く｡

俺も追いかける｡

首なしﾗｲﾀﾞｰとﾀﾞｯｼｭ婆が並んだ｡

すると､ﾀﾞｯｼｭ婆は首なしﾗｲﾀﾞｰの方に方向転換した｡

どうやら曲がって､違う道に入るようだ｡

でも､このままだと､事故るぞ!

婆がﾊﾞｲｸに撥ねられてｵﾀﾞﾌﾞﾂだ!

曲がる!

危ねぇ!!

ﾄﾞｯ!という衝突音｡

無意識に閉じた､眼を開ける｡

そこには､ﾗｲﾀﾞｰが横たわっていた｡

あれ?

婆は?

……まさか､婆がﾊﾞｲｸを撥ねたのか?

ﾊﾞｲｸより強い婆……｡

『これぞ都市伝説』

首なしﾗｲﾀﾞｰは､当分のびたままだった｡

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