貞子と俺の百物語｡

居ますね。 ページ17

ある日。

原付が故障した。

帰ってきて早々の災難。

ｴﾝｼﾞﾝがかからんのだっ!!!!

「…………最悪だ……妖怪に絡まれ……原付も故障」

『まあそんな落ち込みなさんな､青年YO』

「てめぇら何かやったんじゃねぇよな!?」

『何もしていませんよ』

『何でも私たちのせいにしちゃﾀﾞﾒなんだよー』

「……だよな」

ﾊﾞｲﾄ頑張んなきゃ……。

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ｲﾝﾀｰﾎﾝが鳴ったので､貞子たちはそれぞれ戻った。

「はいはい。あ､清春」

「A､約束通り来てやったぜ」

友達の清春に車を頼んでいた。

借りる訳ではない。

乗せてもらうんだよｫ!!

清春は車をめちゃめちゃ大切にしてる。

「じゃ､さっさと行こうぜ」

「おう!」

今日はｻｯｶｰの試合を観に行く予定が入っていた。

清春も一緒にだ。

車に乗り込む。

「!?」

先客がいたようだ。

後部座席にどんよりと座り込んでいる女。

確実にこの世のものではない!

清春は気付いてないのか……。

『あー､居ますねー｡Aも見えるよね?』

「ああ…」

さすがに幽霊と相乗りは気分が悪い。

清春がこのこと知ったら………。

可哀想に清春………。

そのまま車は発進し､ｽﾀｼﾞｱﾑに着くまで女とぺこぺこしあった。

観客。→←ﾗｯﾌﾟ現象｡

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