一匹狼作曲家

始まり ページ1

『……』
変な夢から覚め、ざっと身だしなみを整え朝食は食べずに曲を作る…
カタカタ…とタブレット用のキーボードのタイピング音が部屋に響く…
今日みた変な夢…そのイメージで曲を作る…
部屋のドアがノックする音が聞こえた…
「ロトちょっと良いか？」
一旦作業をやめドアを開けた…
『お父さんどうしたの？』
「ロトちょっと大事な話があるんだ」
『大事な話？』

リビングまで行きダイニングチェアに座ると…

「…ついさっき半年間海外での演奏会が決まったんだ」
『ほんと？！スゴイね！』
流石お父さん率いるオーケストラ楽団だ…！
最近演奏会が多いし…1人で集中して音楽に没頭できる…！
「あぁ…だが流石に半年間と言う長期間お前を1人にさせる訳にはいかない」
本音を言えばお父さんは過保護だと思う…
気持ちは分かるけど…
『でも…そうしないとダメなんじゃ…？』

「…他の家に行く覚悟はあるか？」
まるで…音楽に命を賭けるか？と言う様な雰囲気でそう言った
『まぁ…行けるけど…？』
「なら準備しておきなさい…他の家に半年間預かる事が決まったんだ」
『そうだったんだ…あれ？じゃあ私が行けないって言ったらどうするの？』
「そこまで言うなら…と諦めただろうな」
『そっか…』

お父さんが心配する理由は分かっている…
理由はお母さんだろう…
お父さんが家を空けている間に倒れてしまい、病院に運ばれた事があるからだ…

『他の家か…』
学校は通信制にしているし…
後は…作業の邪魔をされないなら…問題は無いかな…？

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