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UBせりに ページ3

(和)は、俺の
2歳年下の弟だ。



産まれてからずっと
からだは、俺の方が大きくて。

こころは、いつのまにか
(和)の方が大人びて。

元気と、ありあまるエネルギーが
取り柄の俺と

冷静で、おおらかで、懐のデカイ
(和)は

どっちが兄で、どっちが弟だか、なんて
からかわれることが多かった。


何をするにも、どこに行くにも
一緒、が、当たり前で
一緒にいる意味なんて
考えることもなくて。

小さい時から
俺の行くところなら
どこでも、ついてくる(和)が

可愛くて
誰よりも、近いところにいる相手だった。





(和)が小学校に上がった時
やっと、一緒に登校できるのが嬉しくて
(和)の手を引いて、学校まで歩いた。

同級生の、やんちゃな奴に
手を繋いでいることをからかわれたって
なんとも思わなかった。

誰よりも可愛くてお利口な(和)と
兄弟である俺が、うらやましいんだろうと
むしろ、誇らしかった。

小さくて、細っこい(和)を
登下校の間でも
守っているつもりになれた。


中学校にあがるのも、2年の差があって。
(和)が、同じ中学に来たことは
やっぱり、嬉しかった。

だけど‥
手こそ、繋がなくても
弟と一緒に登校していることを
友達にからかわれた時
なんとなく、気まずく思えて。

明日からは、別々に学校に行こうと
言った時の
(和)の表情は、今でも、忘れられない。

捨て犬のように、濡れた薄茶色が
綺麗に微笑んで
聞き分けよく、うん、って
頷いた、あの、寂しそうな顔。


部活にも入らず
放課後も、まっすぐ帰宅する(和)と

バスケットボール部で
遅くまで練習していた俺。

家では、今までと
変わりないように思えたけれど
一緒に過ごす時間は
確実に減って行った。

UBせりさん→←UBせりいち



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せりか(プロフ) - さくらさん» さくらちゃんー!遊びに来てくれてありがとう。UBに感じた切なさが、こんな形になりました。そう言ってもらえて、書いた甲斐があるよー。涙。ありがとうね。明るい未来に繋がるUB、伝わって嬉しいです。 (2017年11月16日 13時) (レス) id: fe05f2340c (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - せりかちゃーん!ぎゅっと切なくて、でも柔らかい温かさがあって。UBを初めて聴いた時の感情を思い出したよ。素敵なお話をありがとう♪3年後、二人並んで笑っている姿が見えました^^ (2017年11月16日 0時) (レス) id: 39532f89de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セリーンヌ・サチョーリカ x他1人
作成日時:2017年11月13日 12時

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