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426.青side ページ4

高層階から見下ろす街並みは

相変わらずキラキラしてる





俺の視界が滲んでるから
余計キラキラして見えるんやろうな





姉ちゃんには
俺が出来る事をしてきたつもり

もちろん

照史とか淳太の変わりにはなられへんから
甘えん坊の弟としてベタベタしとれば
姉ちゃんも少しは寂しさ紛れるかなって





俺がしんどい時
姉ちゃんはいつもハグして頭を撫でてくれる


そんな事をして欲しいタイプやないねんけど
心が萎えてる時って
人肌の温もりって凄く重要


俺に好かれたい!みたいな下心無しの
姉ちゃんがハグしてくれるだけで
肩の力が抜けて

「頑張ったね」
「辛かったね」

って俺の気持ちを肯定する言葉を貰うと
心が一気に軽くなる







姉ちゃんにも少しでも
気持ち軽くなって欲しくて
全力で弟してきた





照史との事だけでも
壊れてまうんちゃうかって
ずっとずっと不安やったのに

さっきの姿は完全に
一線超えて壊れてもうたんやって
目の当たりにして…





俺やったら

あんな風に笑えない

あんな風に相手や周りに気ぃ使えない





心の傷は誰にも見えない


笑顔で隠そうとする姉ちゃんのは
更に見えにくい


それでも淳太にだけは
見せてきた顔があるみたいやから


彼氏ではなく
付き合いの長い友達だからこそ
吐ける弱音があるから





抱えきれなくなってもうた俺の心と共に
淳太に共有して背負ってもらおうと

こんな所に呼び出した





姉ちゃんが店に来るリミットまで1時間

その間に淳太に伝えるつもり





ノックと共に「お連れ様がいらっしゃいました」という店員の声


涙を拭いて
まつ毛に付いてるだろう水滴も
おしぼりでゴシゴシふいてから


返事をした










「お疲れさん
 急に呼び出してスマン」

「いや、ええよ
 丁度終わって帰る所やってん
 この店の飯、好きやから嬉しいわ」

「今日のオススメ、バリ美味そうやで
 見て見て見て!」

「ホンマやなwほなそれ頼もか」





酒と一通りの料理が届いた所で乾杯

一口飲んでグラスを置いた瞬間




「流星、なんかあったんか?」と俺を真っ直ぐ見て言った




こんな時間に突然呼び出したのに
シラフで飯も食ってなかったら
なんかあったとバレるよな

いつものテンション装ったんやけど
アカンかったかw

どう切り出そうか色々考えてたのに
全て吹っ飛んで
ストレートに言ってしまった




「姉ちゃんが…壊れてしもた

 もう俺はどうしたらええかわからん」

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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年6月8日 10時

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