427.あなたside ページ5
一気に日常が変化した誕生日から
早くも1ヶ月が経とうとしてる
あの日からも時折新しい写真が出て
その度にSNSもテレビも雑誌社も
嬉しそうに騒いでる
避けていても目に入ってしまうソレは
私のひび割れた心を更に砕いていく
それでも
どの写真でも楽しそうな照史の姿が
喜ぶ双方のファンの声が
終始明るい報道が
彼の…彼等の未来の明るさと比例してる気がして
安心していた
照史からは毎日連絡が来る
また友達と遊びに行き始めたみたいで
楽しそうな写真が届くようになった
誕生日前の生活に戻った事が本当に嬉しい
毎週新しいホテルを予約して
遊びに来てくれる流星くん
私を1人にしないように
無邪気な弟してくれてるのがわかって
可愛くて仕方ない
友達が多い流星くんは
テイクアウトなんて作らないお店の料理を
持って来たりする
元々食が細い上に
最近は食欲も無くなっている事を心配して
特別に作ってもらってるんだとか
心配してくれている人達の為に
せめて体調だけでも万全にしたくて
いつも以上に気をつけて生活していたら
最近はとても体調が良い
熱も1週間は出ていない
忙しさに感けて2日程薬を飲み忘れているけど
問題ないほどに体調が安定していた
異様に忙しかったのは
今日が通院日であり諸々の結果が出る日だから
今日、何を言われるかで
来週からの生活が変わるかもしれないから
出来る仕事は詰め込んでこの日までに終わらせた
昨日の夕方に充電の切れたスマホ
充電器を見つけられなくて
部屋に放置したまま働いていた
会社用があれば、仕事に支障は出ないから
午前中に残りの仕事を終え、早退して病院へ
前夜から食事をストップしての
本格的な検査は半日がかりで
アッチコッチと振り回されて
へとへとになってしまい
安西先生の前に座った15時には
HPはほぼ残ってなかった
そんな私と結果を見て
先生は苦々しい顔をする
体調良いのに…
それと結果は比例しないんだと理解して
気持ちが一気に重くなった
前の検査結果も引っ張り出して
足組んで唸ってるのは
私が心構えするために
時間稼ぎしてくれてるんだよね
「先生、私、全部聞きたいです
濁したりしないで教えてください
分かったら…教えてくれる約束でしょ？」
「うん…分かってるよ
でも誰か…」
「1人で聞きます。大丈夫だから」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 97人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：向日葵 | 作成日時：2022年6月8日 10時
