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「だから!照史は太ってないってば!
世界一かっこいいの!
優しくて格好良くて完璧なの!」
「ないないないないw
アリ食うてた奴が完璧??w」
「流れ星め、大気圏で燃えてしまえ!」
酔っ払った流星に誂われて怒るAは
表情の作り方から喋り方まで
ホンマに昔と同じ
「ちゃんと聞こえたかー?
世界一格好いい彼氏さぁんw」
コッソリ照史にビデオ通話して
2人のやり取りを見せていた俺
画面の向こうでは
顔を赤くしながら
口元を手のひらで隠す照史w
後ろに友達らしき人達も見えて
向こうは向こうでからかわれてる
「ほら、また食うてるやん!こんな時間に!」
「いいじゃん別に!
照史、何食べてるの?」
『焼き鳥食いながら酒飲んでたんやけど…
いやマジで俺、今、世界一恥ずい!』
『照史が完璧ー?!
彼女の前で、どんな猫かぶっとん!』
『なぁ世界一の彼氏さぁん
俺たちにも優しくしてくれやw』
『ちょ、うるっさい!まってや、移動するわ』
友達からからかわれた照史が
どこか暗い場所に移動した
あ「照史、今どこいるの?」
橙『長野やで』
青「バイク?」
橙『せやで
山ん中やから、星がめっちゃ綺麗』
あ「いいなぁ〜私も見たい」
橙『……写真撮って帰るわ!写るかなぁ?!』
あ「ん!ありがと♥」
橙『A、明日の夜電話してもええ?』
あ「やった♥待ってるね!」
電話の向こうで呼ばれた照史
友達と居るのに長々電話するのも…と
「ほな、切るで」と言って切った
「ほら、完璧じゃん」
「痩せろって言えや!太ったら衣装に制限出てくんねん!」
またくだらない口喧嘩を始める2人
・
彼女の事を長年診てきた主治医から
メンタルの薬が出たって知ったときは
ホンマにアカンのかと思ったけど
辛くて苦しい気持ちから
少しでも開放されるなら…いい事なんかもな
傷だらけの彼女を救い上げてくれるなら
もう何でもいい
何でも誰でもええから
助けたって欲しい
・
「お前らうるっさいねんw
とりあえず何頼むか決めぇやw」
口喧嘩をピタと止め
2人仲良くメニュー表を覗き込む
これがいいか
アレがいいかって
微笑みながら頬寄せてる様子を見ても
カップルには見えないんよな
流星はAの事を
そういう感情で見てへんやろし
彼女もしかり
ホンマに空気感が似てる
数種類の単品とアルコールを追加し
しばらくぶりの楽しい時間を3人で過ごした
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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年6月8日 10時