太陽のようなあなた10 (ページ11)

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仕事を片付けてから
ホテルへ戻り、ドアを開けると
ソファの前に立つ姉ちゃんが見えた

目ぇ覚ました…！

「姉ちゃん！」

慌てて駆け寄って正面から肩を掴むと

「りゅせくん、お疲れ様
　どしたの、そんな焦った顔してw」と笑った

まるで何も無かったかのような返答に
違和感しか感じない

でも

空元気を装ってるようにも
嘘をついているようにも見えない

「見て、薬がぐちゃぐちゃw
　落としたのかな？」

「…え」

「そうだ！スマホどこか知ってる？
　なんかアイテムの配置が変わってて分かんないんだよね」

困った顔をしてスマホを探す姿

なんだか怖くなって
姉ちゃんの腕をつかんでソファに座らせた

「姉ちゃん、何があったん」

「ん？なんかあったっけ」

「病院でなんか言われたん？
　照史になんか言われたん？」

「待って待ってw話が読めないよ
　私、寝てる時になんか言ってた？」

まるで出逢った頃みたいに

照史とのゴタゴタが無かった頃のように

体調悪くなる前のように

明るくてにこやかな姉ちゃんに戻ってる

もしかして…

「姉ちゃん、今日何してたか覚えてる？」

んーと…と見上げながら
仕事帰りそのまま病院に行った話をする

「ずーっと検査だよ…振り回されて疲れた」

ウンザリした顔に嘘はない

「先生から何か言われたん？」

「なんにも言われてないよ？
　再来週になったら色々わかるって
　ドキドキするよねw」

「パパラッチに声かけられた？」

「ううん、あれから一度も見てない

　…どしたのりゅせくん」

それは…こっちのセリフ

「俺、夕方ここにきてん
　照史に頼まれて、姉ちゃんの様子見に
　連絡取れへんからって」

「スマホ放置してたから…」

「姉ちゃんはソファで寝とったけど
　部屋の荷物が無くなっててん」

片付ける前に撮影したゴミ袋を見せる

すると顔色が変わり「これ…何？」と言った

「覚えてないん」

「…え？私がしたの？」

「多分そうやろ
　部屋中の私物がゴミ袋に入っとった」

何を捨てていたかの詳細は伏せた

震える手で俺のスマホを握りしめ
困惑した表情を浮かべる姿から
本当に覚えてないことが分かる

その手を取って撫でながら
「焦らんでええから
　何か思い出す事ない？」と問う

「えっと…病院で薬貰って…
　どうやって戻ってきたのかな」

「うん、そんで？」