16話 ページ21
血を見た後から、記憶がない。
ゾーイ曰く、気を失っていたみたいだけど、夢を見ていた。
家族と一緒に過ごしていた夢。もう1ヶ月前のことになる。
なぜだかわからないけど、見知らぬ女の人も出てきた。
私より少し年上の、お姉ちゃんと呼ぶのにふさわしいくらいの女の子。
その子は、私の名前を呼び、優しく接してくれた。
なぜなのかはわからないままだったけど。
そして、"お姉ちゃん"が、どこかへ出かけていったところと、その後に、私が連れて行かれる夢____
私はそこで、はっと目を覚ました。
「私……寝てたの?」
「A!」
ゾーイが駆け寄ってきて、私に抱きついた。
「心配したよ!大丈夫?」
「うん……」
「今日はもう何もしないって。今はゆっくり休もう。」
「ありがとう。」
私たちは、休むことにした。
______________
「……A……A!朝だよ!起きて〜!」
「んぅ……もう朝?ゾーイ。嘘ついてない?」
「ん?ゾーイって誰?私は**だよ?もう、何言ってるの?」
ああそうか、これってあの夢だ。
「起こしてくれてありがとう。」
私は起きて、支度を始めた。
そして、着替え終わったら下に降りて、
「お母さん、お父さん、おはよう。」
「あら、おはよう、A。」
「おはよう。」
暖かい……
家族といるのって、こんなに暖かかったんだ……
毎日一緒に居てたから、気づかなかった。
むしろ、毎日一緒に居て、嫌だと思うこともあった。
今はすごく幸せだと感じた。
学校に行けて、温かく美味しいご飯も当たり前のように食べられて、ふかふかの布団で寝られる。
そんな日常が恋しくなった。
私はそこで、目を覚ました。
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作者名:ちぇりーたぴおか | 作成日時:2017年12月15日 22時