兄貴のお気に入りに恋をした【灰谷竜胆】 (ページ4)

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｢お前よォ…｣

｢えっ？あっ！はい！｣

｢何してんだよ｣

｢いや、先輩にメールして、ここで待ってるからって…｣

｢先輩って、兄貴のことかよ？｣

｢いや、女のほう、の…｣

｢……。ああ｣そっちね

｢にしても、なんで公園？
そのへんの店に入って待てば良くね？
とうぶん時間かかると思うぜ？｣

｢…。やっぱり私、先輩のところへ｢失せろや｣

｢…｣

｢消えてくんね？｣

俺は今ひどく冷めた目をしてると思う。
こいつ何考えてんのかわかんねぇんだワ。
面倒な奴をひっかけたな兄貴。

｢…｣

｢…｣

しばらく睨みつけて沈黙モードを続けてみたが
女はうつむいたままそこを退かない。

｢ビビってんのか？ほら、立てよ｣

グッ、っと女の腕を力任せに引っ張り上げる。

と同時に女は胸元を咄嗟に手で隠した。

｢…｣
｢…｣

｢…それ、兄貴が？｣

｢…っ｣
涙目を横に流し顔を赤くする女。

胸元はいくつかボタンが飛んでおり、
女が隠さねば下着は丸見え状態だ。

(コンビニのとこで会ったときは大きなカバンを胸元に抱えてたのは隠す為ってか)

｢お前、兄貴のとこから逃げてきたのかよ｣

｢…どうにか振り払って私だけ逃げてきてしまって…
でも先輩がまだあの家にいるんです。
…戻るのが、こわ…くて｣

(おー、、、お？あれ？おかしくね？

あの兄貴からどうやって逃げたんだ？)

｢お前さ…
俺が言うのもなんだけど、そういう気がないなら
男の家に安易に上がるもんじゃねーよ｣

｢…すいません｣

｢そんな格好で人気のないところに1人でいることも、さ。
もっと警戒すべきじゃね？｣

｢はい｣
うつむいたままボソボソと答える女に再びイラつきを覚える。

｢お前、1回痛い目見ねーとわかんねぇ奴なの？｣

引っ張り上げた腕を離し、ドン！と肩を突く。

驚きと同時に背後の衝撃で目を見開く女とやっと視線が絡んだ。