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「大丈夫、ほんともう少しだけ」

「…わかった、気をつけなよ?」
「はい」

「じゃ、また明日学校で」
「学校で」


先輩を見送り、4人席に1人だけ残される。
目の前には喧嘩して出ていった2人の料理が残されていた。


“殺人”

どういう理由があって、どんな方法で、

“あの人が”

目の前で人を殴った彼の姿はとても手馴れていた。
いつも処置に来ると外科の先生が言うに、それも日常茶飯事なのだろう。

でも私の背をさする手や怒っているのに頭にのせた手も優しさに溢れていた。


(どっちが本当なの)


優しい彼と、人を殺したという彼
全く別人な気がして。


その席を立ち上がり、店員さんに
「もし戻ってきたら連絡入れて、と伝えて下さい」と言い残し
急いで建物を出る。


(どこ...?!)


昼間の喧嘩なら人気のないところにいること、
苛立ったままならそう遠くは行かないこと、
1時間半もたっていたら殴り合っていたとしてももう結果が出ていること、

(それに…!)

絶対約束を破らない、きっと。

来れない理由があるとすれば…それは、





小走りで建物の隙間の影になっているところや空地を探す。
まだ涼しさの残るこの季節に汗をかきながらひたすら走った。




走り過ぎようとした通りの一角、何かが動く。

猫やカラスかもしれない、でもあれは、

走る足は尚も加速する。


「竜胆さん!」

息も絶え絶えな探し人がそこにいた。

41→←39.兄弟喧嘩



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NA - 面白かったです!!!! (2022年12月18日 21時) (レス) @page47 id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:トム | 作成日時:2022年6月19日 22時

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