39.兄弟喧嘩 ページ39
ヒルズを出て人通りの少ない路地裏、
「りんどー、謝るなら今だぞ」
「俺は喧嘩したいわけじゃねぇ…」
「Aちゃんとは遊びのうちだ、別に本気でどうこうしようとしてるわけじゃねぇ、白けるようなマネすんじゃねぇよ」
竜胆に近づき冷めきったように低い声色で言葉の鉄槌を下す。
「…本気なら、俺は何も言わねぇ」
「?」
「あいつに半端に手ぇ出すなって言ってんだよ」
「…お前、」
グッと顔を上げ蘭の顔面すれすれに顔を近づける。
「俺が本気だから、それが例え兄貴でも引かねぇ!」
弟のこんな目ははじめて見る。
喧嘩で殺気立つ顔ならいつも隣で見てきたがそれとは何か違うような、何かを覚悟したその目が余計に俺を苛立たせた。
「舌 噛むなよ、」
ゴッ!!
「ッ…!!」
「おら、どうした、かかってこいよ竜胆」
ゴッ!
ガッ!!
「お前、手ぇ出さねぇつもりかよ」
「...はぁ、はっ、」
「上等だ、望み通りにしてやらァ」
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「遅いね、」
「うん」
カフェに残された2人は最初こそ慌てていたが
1時間も待てばさすがに落ち着いてきたところで。
「…ねぇ、もう帰らない?どんな状態であの兄弟が帰ってくるのか大体予想つくでしょ、巻き込まれたら私らもどうなるか分かんない」
「でも、ここで待ってろって」
「あの灰谷兄弟のこと、あんたよく知らないからそう言えるんだよ。あの人たちはね、…少年院にいたんだから」
「何でそんなところに」
「…殺人、らしいよ」
「」
―――殺、人?
「はーでも、イケメン兄弟とデートができただけラッキーかな。
だって私らさ、勉強漬けで刺激もなんもないじゃない?
たまたま声かけられて家まで知って、そんな展開めっちゃ貴重じゃん?」
「…先輩は全部知っててあの日ついて行ったの?」
「まぁね、私の彼氏もヤンチャしてる人多かったし噂に聞いてたの」
「…」
「こっちも遊ぶだけ〜と思ってたけど、
なかなか手ぇ出してこないし拍子抜け!しかもここに置き去り!」
「…」
「ね、もう帰らない?」
「ごめんね、先輩。もう少し待ったら私も帰るから先輩は先帰ってて下さい」
「…来ないと思うよ?来たとしても危ないって。
さっきの豹変ぶり見たでしょ?」
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NA - 面白かったです!!!! (2022年12月18日 21時) (レス) @page47 id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トム | 作成日時:2022年6月19日 22時