31.蜘蛛 ページ31
ユメ「A、もうここまで来たんだから諦めなって」
先輩の盾を無くし見上げた先にあるもの
蘭「あ、出てきた」
A「…」
蘭「この前はごめんね、今日謝りたくてユメちゃんに呼んでもらったんだ」
ユメ「2人何かあったの?」
竜「何も知らねぇの?」
ユメ「あの夜は実習があるから先に帰った、としか」
竜「…ふーん」
A「近寄らないで下さい」
蘭「もうしねーよ、怖い思いさせちまったな」
ユメ「にしても、何ですかこの蜘蛛」
六本木ヒルズのオブジェであるこの巨大蜘蛛はパブリックアートとして設置され、真下にいると蜘蛛に包囲されている気分になる。はじめて見る人々はカメラを向けたり、子供なんかはよじ登ってみたりと第一印象抜群スポットなのだ。
ユメ「蜘蛛に捕まったみたい、リアルな足とかお腹の卵が気持ち悪ぃぃ」
蘭「普通はそう思うよね〜」
ユメ「っと、そろそろお昼ですね、
ランチ♡蘭さんのおすすめ行きたいです〜!」
蘭「とりあえず入るか」
なんだありゃ。女の猫かぶりってすげーな。
で、何でお前はあの先輩と友達やってんだ?
2人の後を追いながらAと目が合う。
今日はニーハイはいてないだな、残念。
でも体のラインに沿ったラフなTシャツと巻きスカートが女性らしくて可愛い。
顔は…怒ってる。理由はわかるよ、
「メール、ごめんて」
「…手、痛くないの」
「ああ、もう平気、助かった」
「無茶しないでね」
「…ん」
もっと怒るのかと思ってたけど
怪我のこと気にしてくれたようで少し照れくさい。
「このオブジェ、なんか不思議だね」
「あ?」
「外側から見たら少し怖いけど、
中に入って中心から見渡すとむしろ守られてるみたい」
巨大蜘蛛の腹の真下で、まわりを8本の足で囲まれているこの状況は圧巻だ。
「…」
「どんな思いでここに作ったんだろうね」
「知ってるよ、俺らは」
「え、どういう意味?」
「また今度な、行こうぜ」
「?」
※蜘蛛のオブジェ「ママン」参考資料として使いました。
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NA - 面白かったです!!!! (2022年12月18日 21時) (レス) @page47 id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トム | 作成日時:2022年6月19日 22時