鹿楓堂よついろ日和

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司会者「勝つのは“鹿楓堂”か、“イーストサイドグランデ”か。判定は！」



司会の合図で、審査員5人の札が次々と上がる。


その結果は…






司会者「勝者は、イーストサイドグランデです！」



２対３で鹿楓堂は負けてしまった。



英介「ありがとうございます！格式ある名に恥じない戦いが出来ました」




正直、めちゃくちゃ悔しい。



だって椿くんほんとに頑張ってたから。




けど相手があの角崎英介で、鹿楓堂に２表も入った事が私は誇らしいことだと思う。



いや、どの目線で言ってんだよって話だけど本気で。




司会者「今回は残念でしたが、中尾さんからも最後に一言お願いします」




突然振られたからか、言葉に詰まる椿くん。


見かねたスイが代わりに口を開こうとした瞬間



椿「失敗してばっかで、お前はダメだって言われ続けて、自分は1人だって思ってた」



椿くんは、自分の言葉で話し始めた。



椿「鹿楓堂に出会って、ここが僕の居場所だって。だから僕はお菓子を作り続ける事が出来ました」




こんなにスラスラと素直に自分の気持ちを伝える彼を見て、私たちは思わず顔を見合わせた。



成長したなぁ、椿くん。




テレビの前にも関わらず、椿くんにくっつき始める3人。


恥ずかしいから今すぐにでもやめて欲しいけど



ぐれ「アモーレ椿くん〜」


スイ「大人になったね〜」


ときたか「カッコよかったですよ」



…まぁ、今日はいっか。




そんな光景を傍から見ていると、遠くにいたアナウンサーがステージに寄ってきた。









アナウンサー「ちなみに店長さん。有名大企業の御曹司でいらっしゃるとか？」







……え？






何それ、初耳だけど。



スイも、他の皆も、何だか困惑しているようで。







結局気まずい雰囲気が流れたまま、番組は終了した。




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