ひらり、言の葉。

おひげ。2 ページ30

「俺だって別にさ！ニノにヒゲ生えるの知ってるから別にいいんだけど！
そこで変に女の人タラすのやめてくれるかなー。
ただでさえ、オマエ人たらしなんだからさぁ…。」


ぶうぶうと文句をいう相葉さん。

つーと、なに…。

出会った女の人に、俺のヒゲでドキッとするとか言われたのが嫌で、文句のひとつも言ってやる！

みたいなこと？


人たらしってなに。
たらしてねぇし。


頭の中で整理してたら、長い腕に抱きしめられた。


「もーさー…、周り、ライバルばっかなんだからさぁ…
これ以上無駄に心配とか増やさないでくれる？
なで肩とか濃いのとかさぁ…俺、気ぃ抜けないんだからさぁ…
可愛い二宮くんでいてよねぇ…」


あ、1番の心配はあの腹黒そう人なんだけどね…なんて言って、相葉さんは再び俺の頬やあごを触り始めた。

オフだったからヒゲも剃らなかった今日は、確かに相葉さんが頬を撫でるたびに逆立つ感覚がある。


「わかった？ニノ！」


って。
よくわかんないけどさぁ…。


「はぁい。」


これが一番賢明な返事だよね。
今日の相葉さん、甘ったれなぶーたれだし。
機嫌損ねると面倒くさそう。

抱きしめられるがままに、その胸に寄りかかっていたけれど。
体を起こす。

伸び上がるように、相葉さんの頬にキスをして、そのままガブリと甘噛みしてやった。


「ちょ、」

「ご心配なく。
ヒゲが生えてようが剃ってようが。
女の人がドキッとしてくれようがしてくれまいが。
俺はアナタに夢中ですので。」


にこり、笑う。
すると嬉しそうに相葉さんが笑った。


機嫌は直ったかな？

とりあえず…。
ほとぼり冷めるまでは、しっかり、ヒゲを剃ることにしましょうか。


ヤキモチ焼きが面倒だから、ね。




end.

実はこんな裏話。1→←おひげ。1

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