ひらり、言の葉。

おめでとうをキミに。1 ページ22

どきどき。
少し浮ついた気分で楽屋に向かう。

別に、なに、とかじゃないけれど。

4日前にいただいた名誉ある賞。
受賞後今日が、初めてメンバーと顔をあわせる日だったりするわけで。

相葉さんからは1番にお祝いの言葉を貰って、
潤くんなんてメッセージだけじゃなくて、サイトの一言メッセージを使って更にお祝いしてくれた。

…まぁ、他の2人からはなにもなかったですけど？それは、おいおい問い詰めますけども。

2人にありがとうのお礼は返した。
大野さんも翔ちゃんも受賞したことは聞いてるはず。忙しいからね、なにかと。

だって、俺、画面越しにみんなのおめでとう聞こえた気がするもんね。

そのあとこう、ちゃんと顔を見るのはお初で、改めて口にするつもりのお礼の言葉に緊張しちゃってる、っつーわけで…。


廊下を右に曲がって、いざ、楽屋。

って時に。


がちゃ、
出てきたのは、電話を片耳に当てた翔ちゃん。


ーオハヨ

ーオハヨ、ゴメン。電話中。


目で会話をして手を振って見送った。


予定してなかったメンバーとの出会いに、無駄にしていた緊張も溶けて、楽屋に入る。


時刻は10時54分。
11時の入りなはずだから、時間ぴったりの出勤です。


「おはようございまーす」

「お、ニノ、おはよー」
「おはよう」
「ニィー、ノーぉ」


三者三様、挨拶を返してくれて。
その挨拶と同時に大野さんがぴとっとくっついてきた。


「なになに、朝から」

「んー」

「つーか、アナタさぁ…」

「まぁいいからいいから。
こちら、お座りくださいよ、二宮さんよー」


歩きにくいくらいにくっつく大野さんに引かれて、定位置のソファに座る。
俺の右側に大野さん。

左前に座る相葉さんはマンガ。
右前に座る潤くんはスマホをいじっていて、

うん。
落ち着く。

受賞してから、なんか、そわそわしてたから。俺も、周りも。


そのとき。

ヴヴヴ…、ちいさく、尻ポッケに入れっぱなしの俺のスマホが動いた。

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