ひらり、言の葉。

にゃんにゃんガオーまつり。2 ページ17

俺とニノは、いわゆる、ソウイウ仲なんだけど。
まぁ、もう30も越えたいい歳だし、忙しいし、っつーことであんまりお互いにがっつくことが少なくなってきた。

いやいやいや、もちろん、盛り上がる時もあるからね！
枯れてないよ？

ともあれ、もともと、そばにいる安心感みたいな空気がふたりにはあって。
ニノなんか殊更に、淡白な気がする。

でもこうして、肌と肌が触れ合うのはすきみたい。
落ち着くのかな？
わかんないけど。


「ただいまー。」

「おかえりなさーい、お邪魔しまーす。」


終わりが同じだから、ご飯でもってやってきたウチ。
今日はコンビニで適当に見繕ってきたので、それをテーブルに並べて、同じく買って来たビールのプルタブを開ける。

おつかれーい、って乾杯して飲む。


「…ぷはー。」

「ひゃひゃ。オヤジか！」

「んだぁーって、うまいんだもん。」


結構な勢いでビールを飲み干したニノが俺を横目で見て、笑う。

ずりずり、と空いていた30センチほどのスペースを詰めてきて、やっぱり、腕と腕がくっついた。


「ニノってさぁ…、」

「んー？」

「これ、わざと？」


わかるように、くっついた右腕でニノの左腕をくぃっと押す。


「へ？」

「距離。隣にいると、こーやってくっつくこと多いから。
癖？俺はくっついていられるのは嬉しいからいいんだけどさ。
くっつくなら、ニノの右と俺の左のほうがいいんじゃないかって、いつも思うんだよねー。」


って。
かるーく、かるーく、聞いてみた。


「？ ニノ？」


黙ってしまったニノの顔を覗き込むと、


「…ぇえ？」

「…ちょ、見ンな…。」


真っ赤になってる、ニノ。


「え？なに、これ、本当に無意識だったんだ？」

「ちょ、やめて…。
俺なんか今、めっちゃ恥ずかしい。」


しゅー、と両手で顔を隠して下を向いてしまった。

そこから、もごもごと。


「俺、いつも、近かった？」

「毎回とは言わないけどね、よくくっつく気がするよ？」

「やばい。無意識…。」


ねぇ、それって。

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