過去編 水と渡し舟。弐 ページ17
「何処へ行く天神様。汝はここにいてたまへ。
汝はここで見護りたまへ。
我と彼らを。
忌まわしき妖怪より。
狐が人に化け
狸も人に化けて
鳥が天より堕ち
猫ま跳ぬ。
人は狂ひ壊れ、
共に死にゆく。
どうか汝はここに居たまへよ、天神様。」
唄を口ずさみながら足を進める。
いつ聞き、覚えたのか分からない。
しかし、この唄を歌い終わる頃には
目の前にその光景は広がっていた。
瓦礫の下から見える人の腕。
千切れてはいないのでまだ生きているのだろう。
「しゃーないガキやな」
小脇に抱えてその場を立ち去る。
母親の方をチラリと見れば笑顔だった。
どうかその子を安全な所へ。
そんな表情だった。
視線を炎の中に入って来た時の場所へ向ける。
如何やら火は回っているものの、まだ通れそうだった。
一心不乱にそこへ向かう。
間一髪というところだろうか
なんとか抜け出すことが出来た。
小脇に抱えていた子供を地面に立たせる。
何やら言っているようだったが聞こえなかった。
まだ安心はできないのだ。
妖怪がいつ出てくるか分からない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「短編集」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のゆり(プロフ) - 八重を出して頂きありがとうございます…！(感激) 更新楽しみにしてますねっ！(() (2018年3月12日 21時) (
レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
松宮カナメ - うわわわ、使って頂きありがとうございます！率なんて扱いにくいキャラでしょうに…更新頑張ってください！ (2018年2月16日 16時) (レス) id: eb873f1f0d (このIDを非表示/違反報告)
のゆり(プロフ) - あ、忘れていました！関連キーワードに「神様の依頼箱」と記入お願いします！ (2018年2月6日 22時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
のゆり(プロフ) - 早速書いていただきありがとうございます！面白そうです…！募集企画の方に貼らせていただきます！ (2018年2月6日 21時) (レス) id: b3b81574c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朝猫。 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月5日 17時
