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「神様、私って原作の調整役として選ばれたんですよね。じゃあ私が原作を大幅に変えるようなことはしちゃいけないってことですよね? 例えるなら死んでしまう人の救済とか、そういうの……」
「そうだね。優しい君に誰かを見殺しにしろというのは心苦しいのだが……」
「ううん、大丈夫です。リボーンの世界では派手に主要人物が死ぬっていうのはなかったはずですから」
「改めて言うが、調整役として選ばれた君にしてほしいことは主に2つ。例の神が送り込んだ転生者が行うかもしれない原作改変の阻止。風のおしゃぶり、ここにはないが、来たる時に君に授けられるであろうボンゴレリング、マーレリングの保守だ」
Aが力強く頷く。
「君がリボーンの世界に行くタイミングは中学校入学前日だ。急で申し訳ない」
「大丈夫。……ん? ってことは私もう一回中学生やるってことですか?」
「そうなってしまうな」
「そうですか……。中学の時の勉強とか覚えてないなぁ……」
「なら君の頭も良くしておくよ。頭の回転が早かったり、勉強が出来ると変に気が紛れず楽だろう?」
「本当? テストの度に唸りながら勉強しなくてもいいっていうのは楽かも」
「話すことはこれで終わりだ。他に何かあれば、あちらに行ってから私に言ってくれ。話したいと念じてくれるだけで私は応じることが出来る」
「うん」
「……最後に言ってもいいだろうか?」
「大丈夫、いいよ」
「死なないでほしい。君一人で、君の介入一回だけで終わらせたいんだ」
「うん、頑張るよ。ここまで色々貰って、サポートもしてもらえるって言われてるのに今更無理とか言えないしね」
毅然とした態度で言うAを、神はどこか苦しそうな表情をしていた。
本当は嫌なのだ。明らかに危険な場所に今まで平和に過ごしてきた少女を送り出すことが。
「私が……」
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作者名:うがつ | 作成日時:2022年9月18日 16時