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私は言葉を失った。
『ぁ…あ…さ…ばさ、………』
足に釘を打ち付けられたように1mmも動かない。
私がほぼ放心状態になっている時、誰かが私の腕を強く掴む。
「やっと見つけた。全く…いつになったら家に帰ってくるんだ?」
声の主は、私が1番会いたくなかった人だった。
『お…と…うさ…』
「さぁ、帰ろう?」
強く掴まれた腕が悲鳴をあげている。
痛い、すごく痛い。
きっと痣ができてしまうだろう。
「あぁ、泣いてしまって。そんなに会えたのが嬉しいのか?」
いつの間にか私の目には涙が浮かんでいた。
あんたに会えて嬉しい?_
嬉しいはずがない。
むしろ最悪なぐらいだ。
『ぃ、いや………』
「ほら、早く帰るよ。今日はお仕置だね。」
「お仕置」、その単語を聞いた瞬間私の頭はパニック状態になる。
『ぁ、あ…や…ぁ…』
涙は止まることなくで続ける。
体の震えも、次第に強くなっていく。
「そんなに怖がらないで、ほら、行こう」
私は絶対について行かない_
強い意志が私の中にはあった。
体重をかけ、この場に留まろうと踏ん張るも、力の格差はある。
素直に着いてこない私に痺れを切らした父親…は、
「一体お前はどこのどいつに似たんだ!!素直に着いてこい!!」
と拳が降ってくる。
『っ…!!!!』
必死に身を守ろうと身を縮こませる。
でも痛みは来なくて。
不思議に思った私はゆっくりと目を開ける。
『さば…さん…?』
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作者名:鯖 | 作成日時:2021年11月28日 18時