あなたの為ならば。 ページ2
ゾムside
電話でAに頼まれた。
この前会ったあの男を守る手助けをしてほしい、と。
俺は快く了承した。
理由は二つ。
1つ目は、俺はこっそり、Aに黙ってグルッペンという男を調査していたから。
そしてその際に調べた秘密組織も俺は知っている。
グルッペン･フューラーはとある国から日本に不法入国した可能性がある。
そして秘密組織はグルッペンを捕まえて、安全性を確認した上で国に返すのが目的。
この国に生まれた以上、秘密組織に手を貸すのが道理だろうが、俺的にはそれでは面白くない。
Aとグルッペンがどこまでやり抜くのか見てみたいからだ。
2つ目は、Aの喜ぶ顔が見たいから。
始めてた会った時、めっちゃ可愛いと思った。
しかも料理上手で性格よくて。
俺が家に勝手に入って飯を強請っても、文句を言いながらも作ってくれる。
そして美味しいと言えば、めっちゃ笑顔になる。
あの顔が正直好みだ。
だから俺が頑張ればAは笑顔になる。
俺は珍しく意気込んで荷物を整えて家を出た。
そしてオスマンの家に行き、大量の調査ファイルやリストなどを置いた。
オスマンにはドン引きされたがこれも仕事のひとつ。
そして久々に会うオスマンと豪華なディナーを食べて、新しいベッドが用意された部屋を勝手に借りて寝た。
そして起きてみれば、オスマンは居なかった。
はやくね？と思いながら着替えて、家を出ると、エレベーターがちょうど登ってきた。
なんとなく、そのエレベーターにAが乗ってる気がして。
俺はエレベーターすれすれに立って、ドアが開くのを待った。
ピンポン、と軽い音が鳴って、ドアが開く。
そこには案の定待ち焦がれたやつがいて。
そいつはびっくりしていたが、エレベーターを降りると俺に頭を下げた。
頭下げてたらどんな顔しとるか分からんやん。
俺はしゃがみこんでAの顔を見た。
辛そうな、苦しそうな顔だった。
ゾム「(なんでそんな顔してるん)」
俺が見たいのはその顔じゃないねん。
ただ笑ってほしくて、できる限りの笑顔で声をかけてやると、次は申し訳ない、とでも言いたそうな表情を見せた。
涙が流れているように錯覚して、俺はAの頬を、涙を拭うように撫でた。
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神透(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！更新されるの毎回楽しみに待ってます！ (2020年10月3日 20時) (
レス) id: 851fd330e9 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 頑張ってください！とても好きです！ (2020年6月12日 20時) (レス) id: 112ffdec35 (このIDを非表示/違反報告)
麓珀のロク(プロフ) - 気付くのか遅くなってしまってすみません( ´･ω･`)続編おめでとうございます！！これからも頑張って下さい！！ (2020年6月11日 13時) (レス) id: 1ac836c404 (このIDを非表示/違反報告)
ダイス(プロフ) - 話の流れがとても好みです！体を壊さない程度に更新頑張ってください (2020年5月18日 6時) (レス) id: 6213d0614a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：icaer | 作成日時：2020年5月17日 21時
