independence day<1> ページ41
増田side
「手越がさ、日付が変わった瞬間メールくれたんだよ〜」
5月1日。誕生日パーティーの席で
小山は幸せそうに笑っていた。
それから2ヶ月が経ち、今日は7月3日。
時計の針は23時50分を指している。
あと10分で、俺の誕生日だ。
だけどきっと、あいつからのメールは来ない。
「てごし。これ、似合うんじゃない?」
「あ、かわいい!いいじゃん!」
「ここ知ってる店だから、今度行ってみる?」
「一緒に…?いいの?」
「うん。お前さえ良ければ」
「行きたい!ありがと!」
嬉しそうに目を細める顔を見て安心する。
雑誌に載っていたのは、手越に似合いそうなスニーカー。
約束をしたものの、まだ実現しないでいる。
「あーあ。いい加減、蹴りつけなきゃな」
俺は、ずっと手越が好きだった。
だけど15年間 仲間という立ち位置を守ってきた。
一緒に笑って、泣いて、時にはぶつかって。
色んなことがあったけれど、幸せだったと思う。
手越は、<増田さんとの距離感が1番好き>と言う。
こいつがそう思うなら、これからも付かず離れずの距離でいよう。
本当は、抱きしめて俺を見てって言いたいけれど。
時計を見ると、23時59分。
そろそろ日付が変わる。
3、2、1
……ほらな。やっぱり。
そもそも、今日が俺の誕生日だと、
手越は覚えているだろうか。
その時、着信音が鳴る。
もしかして、という期待は見事に崩れ去った。
それでも誕生日を覚えていてくれて、
おめでとうと言ってくれる人がいるのは
幸せなことだ。
次々とかかってくる電話とメール。
それに一つずつ答えていたら、
あっという間に1時間が経っていた。
だけど、やっぱりあいつからの連絡はない。
「……なに期待してんだろ」
吐き捨てるように呟いてスマホをテーブルに置く。
さっきまでのお祭り騒ぎが嘘のように
シンと静まり返る部屋。
明日も早いし、寝不足は良くない。
もう寝よう。
そして、手越のことはすっぱり諦めよう。
仲間として隣に居られたら、それでいいじゃないか。
自分にそう言い聞かせていた時、
また着信を知らせる音がする。
なんとなく煩わしくて無視していると
それが鳴り止んだ途端にインターホンが鳴った。
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りお(プロフ) - 莉織さん» 莉織様、温かいお言葉、本当にありがとうございます(^^)。子供と大人の割合が半々くらいの手越さん、いかがでしたでしょうか(^^)。最後は、増田さんの重めの愛で締めさせていただきました。これからも甘々な2人を描けるように頑張ります! (2019年5月14日 21時) (レス) id: de0e8fed57 (このIDを非表示/違反報告)
莉織(プロフ) - りおさん» 早速、可愛い手越くんがいっぱいで最高です! ちっちゃくなるだけじゃなくて、テゴマスの甘々もあるのが新しくてとても楽しみです! (2019年5月14日 19時) (レス) id: 6e79a16567 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 莉織さん» 莉織様、コメントありがとうございます(^^)。子供になってしまうと言う設定は初めてなので手探りで物語を進めております。少しでも楽しんでいただければ幸いです!本当にありがとうございます(^^)。 (2019年5月14日 6時) (レス) id: de0e8fed57 (このIDを非表示/違反報告)
莉織(プロフ) - いつもお話読ませて頂いています。甘々なテゴマスがいっぱいで面白くて、最高です。今回は、手越くんが子供になるみたいなので今からワクワクです!更新頑張って下さい!応援しています! (2019年5月13日 18時) (レス) id: 6e79a16567 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りお | 作成日時:2019年5月13日 6時