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増田side
今にも泣きそうな手越を抱きしめる
「どした？……なにがあったか教えて？」
いつもなら、この役割は小山のはず
俺を頼るのは、最後の最後なのに。
小山じゃダメなのか……
重症だな
「増田さん……ごめんね」
ポツリポツリと手越が話し出す
どうやら、また記事が載るらしい
内容は何年か前の話だと言うけど、詰めが甘い
どう考えてもこいつが悪いし
アイドルとして有るまじきこと
大なり小なり、活動にも影響があるだろう
そうなれば、メンバーだけじゃなく
周りの人たちにも迷惑をかけてしまう
だけど、必要以上の批判や中傷を受けて
精神的にダメージを受けるのも事実だ
「そっか……ちゃんと事務所に報告したの？」
「ん……昨日した」
上の人にもマネージャーにも
こっぴどく絞られたらしい
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いつものような記事なら、百歩譲ってまだいい
でも今回のはちょっと話が違う
だから、もう「今度」はないって
まぁ、それはそうなんだけど
この頃は大人しくしてたのにな
大きな仕事があるからって
夜遊びもせず、エマと家にいるって言ってたのに
悔しいね
「……俺はなにがあっても味方だから」
厳しいこと、言えばよかったかもしれない
懲りないヤツだなって突き放せばよかったかもしれない
でも、影で人一倍努力していることも
弱さを隠して強くあろうとしてくれることも
それが、グループのためだということも知ってる
だから、今はひたすら甘やかしたほうが
こいつのためになる気がした
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作者名：りお | 作成日時：2018年11月14日 20時
