【刀剣乱舞】ブラック本丸を治した新しい審神者は･･･ (ページ9)

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漆話─少女の頼み─ ページ9

大和守安定side

それから暫く2人とも黙っていて、少女の静かな寝息だけが聞こえる。

大和守｢･･･ねぇ、薬研･･･｣

薬研｢何だ？｣

大和守｢まだ主はいるんだよね？｣

薬研｢あぁ｡｣

大和守｢この子は･･･何で此処に来たんだろう？｣

薬研｢言われてみれば･･･何でだろうな･･･｣

2人で少女を見る。

先程より顔色が良くなり、眠る彼女は、僕達から見るとまだ幼く見える。

と、その時、襖を開けて誰かが入って来た。

？｢薬研、出陣です･･･ん？や、大和守殿!?｣

薬研｢一兄･･･｣

大和守｢や、一期｡｣

一期｢何故ですか!?闇堕ちしたのでは･･･｣

大和守｢それは･･･｣

未だ眠っている少女に目を落とすと、一期も見た。

一期｢に、人間!?｣

薬研｢ま、待ってくれ一兄！｣

抜刀しようとした一期を薬研が止める。

薬研｢この子が大和守の旦那を闇堕ちから解放したんだ。それに今は大怪我してるんだよ｡｣

一期｢そうなのですか･･･｣

ゆっくりと柄から手を離す一期。

？｢･･･ぁ、あの･･･｣

大和守･薬研･一期｢っ!?｣

さっき迄寝ていた筈の彼女が声をかけてきた。

？｢す、すみません･･･その･･･出陣、なさるんですよね？｣

薬研｢あ、あぁ･･･｣

？｢･･･私に、出陣なさる方々の"手入れ"を、させて頂けませんか･･･？｣

一期｢て、手入れを？｣

？｢無理にとは言いません･･･ただ、折れてほしく、ないんです･･･｣

一期｢･･･｣

薬研｢俺っちが呼んでくるよ｡｣

薬研と一期が部屋を出ていった。

すると、少女が起き上がろうとしていた。

大和守｢ま、まだ寝てないと駄目だって！｣

？｢手入れをさせて頂くのに、寝たままでは、失礼ですっ｡｣

そう言って起き上がろうとするも、痛むのか顔が歪んでいる。

仕方ないから、体を支え、手伝う。

？｢有り難う御座います･･･｣

大和守｢･･･ねぇ、君は何で此処に来たの？｣

？｢･･･ここを救って欲しいと政府の方から言われて･･･｣

大和守｢まだ審神者がいるのに？｣

？｢はい･･･政府の方は審神者様の事は任せると言っていました･･･ただ、もし、する場合は身元が分かるようにと･･･｣

大和守｢それって･･･｣

？｢･･･"殺しても良い"･･･ということです･･･｣

大和守｢っ！｣

こんな幼い子に、人殺しの事を･･･！

？｢･･･ただ･･･｣

大和守｢？｣

？｢少し、安心してるんです。大丈夫なんだ、と･･･｣