【刀剣乱舞】ブラック本丸を治した新しい審神者は･･･ (ページ30)

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弐拾捌話─優依の思い─ ページ30

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優里那side

三日月｢まずは礼を言おう。出陣時と先程の手入れ、感謝するぞ｡｣

優｢いえ、私にはそのくらいしか出来ませんから｡｣

三日月｢して、先程の音(ね)は何の音かな？｣

優｢これです。母様から頂いた龍笛なんです｡｣

龍笛を見せる。

三日月｢そうか･･････お主は此処に来る前、何があったのだ？｣

優｢っ!?｣

何で･･･

三日月｢教えてはくれぬか？｣

優｢･･･はい。私は、～～～｣

─省略します─

大和守様達に話したのと同じ内容を話し終える｡

三日月｢そうか･･･｣(ｽｯ

三日月様はそう呟くと、右手を持ち上げた。

それを見た瞬間、今迄の、嫌な記憶がフラッシュバックした。

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三日月宗近side

優依の話は俺の想像を越える物だった。

せめても･･･と頭を撫でようと右手を持ち上げたのだが･･･

それを見た優依はビクッと体を震わせ、強く目を瞑った。

まるで何かに耐えるように･･･体を小刻みに震わせながら･･･

その頭に手を乗せ、ゆっくりと撫でる。

恐る恐るといった様子で俺を見る。

三日月｢辛かっただろう。よく耐えたな｡｣

優｢そんな･･･皆様と比べたら私の事なんて･･･｣

三日月｢お主の今の思い、素直に言ってくれぬか？｣

ついそんな事を言ってしまい、｢言わなくてもいい｣と口を開く寸前─

優｢･･････寂しい、です･･･｣

小さな、小さな声でそう答えた。

優｢お父さんも、お母さんもいない･･･周りは私を忌み嫌う･･････皆が皆そうじゃないのに、いつも1人の気がして･･･寂しい、です･･･｣

次第に涙を流しながら、ぽつりぽつりと話す。

慌てたように涙を拭うがなかなか止まらない。

俺はその小さな体をそっと抱き締めた。

三日月｢･･･我慢する事はないぞ。気の済む迄泣くといい、"主"よ｡｣

腕の中で主がぴくりとし、泣き顔のまま俺を見た。

優｢今、何と･･･｣

三日月｢何かな？｣

優｢今、私を･･･何と言いましたか･･･？｣

三日月｢あぁ。主と言ったのだよ｡｣

優｢認めて･･･くださるのですか？｣

三日月｢これでも11世紀の末に打たれたじじいでの｡見る目はあると思うておる。霊力の暖かさといい、悪い奴とは思えんのでな｡｣

そう言うと、糸が切れたように涙を流し始めた｡

三日月｢思い切り泣くといい･･･｣