●６話 月は刀をも惑わす ページ8
*
真夜中、小生は目を覚ました。
眠れないと言うより身体が慣れてない。
審神者様の御好意で、己の部屋と布団を用意してはくれたものの所詮は刀全くもって眠れんでござんす。と言うより、早く戦に出たいでござんす!!
布団の上でゴロゴロと転げ回るが夜は長い。月が輝いてまだまだお日様まで時間が掛かるようで。
｢暇だ……｣
眠気のねの字すら出てこずお目目パッチリ、脳みそフル活動。兎に角、この持て余した時間をどうにかしたい。
そう思い始めれば起き上がり、音をたてずに部屋を出る。
庭には大きな巨木がそびえ立っていて、それを器用に飛び乗って腰掛けれる所に座った。
じゃり。庭先の砂利、小石を踏む音がして、見下ろすと闇の中でも目立つ白を纏った男が佇んでいた。
白は愉しそうな笑みを浮かべ登りはしないが、木の根本まで近付いてくる。
｢鶴丸殿……｣
｢こいつは驚いた俺の名を知ってたか｣
一方的にだけど知っている。彼が前の主伊達政宗公に身を寄せていた時チラリとだが、視界の端に見えた美しい白は忘れられそうにない
｢して、鶴丸殿はこの妖刀村正に何用かな？｣
｢はは、自分から妖刀呼びするか……面白い。まぁ、なにただ君と話したかっただけだ｣
降りては来てくれないかと、言うので降りれば身軽だなとからからと笑われた
｢千子村正です。知っての通り妖刀と呼ばれていました｣
｢俺は鶴丸国永だ。平安時代に打たれてから、主を転々としながら生きてきた。そして君を拾ったのは俺なんだ｣
｢そうですか…｣
｢ああ、その時は霧が酷くてな。まるで君を隠す様だった｣
危うく踏んづける所だったと楽しく話すもんだから、小生を踏もうとした事につっこめない。だが、笑っていた彼が急にふっと笑みを消し小生を見る。手を伸ばされするりと頬を撫でられた。その目は一瞬獲物を捉えた獣の様に見えたのは小生の気の所為だろうか。
｢…顕現されてから思っていたが俺と会った事がないか？｣
｢……さぁ、どうでしょう？｣
｢何だ、教えてくれないのか｣
｢女は秘密が多い方が魅力的と言いますでしょう？｣
｢まあ、…そうだが、……｣
わざとらしくニヤリと笑えば押し黙った。今の内に部屋に戻ろう、うん。
｢それでは小生はこれで、鶴丸殿も身体が冷える前に部屋に戻られて下さいな｣
｢ああ…｣
返事を最後に急いで布団の中に潜った。
夜歩きにはご注意を!!!!!!
●７話 審神者の癒しはコレだ!!→←●５話 死んでも消えない過去がある
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加州☆鶴丸☆三日月☆一期ファン - 消さないでください！！！！！ (2017年2月25日 21時) (
レス) id: 4110b38b3b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 続きが読みたいです...消さないで。応援してます。 (2017年2月8日 17時) (レス) id: e4d207fc48 (このIDを非表示/違反報告)
ビタミン365日(プロフ) - 水鳥さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです！この作品も話がいっぱいになったので新章を公開したいと考えています。新作のご意見も感謝です！！参考にさせていただきます。 (2017年2月1日 21時) (レス) id: edca99e45f (このIDを非表示/違反報告)
水鳥(プロフ) - 私としてはお話を続けてくださると嬉しいです。新作の方は刀剣女士のものが見たいです。新作もこのお話も楽しみにしています (2017年1月31日 20時) (レス) id: 55fe5a8c04 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください♪(´ε｀ )！ (2016年12月11日 9時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビタミン365日 x他1人 | 作成日時：2015年6月16日 20時
