◎４話 初めてを舌にのせて ページ6
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村正である彼女の発言が知らずうちに広間の雰囲気を悪くしていた。側にいた審神者は思ってもみない発言に驚き、蜻蛉切はどこか哀しそうに眉を下げる。
シンッと静まるなか重い空気を打ち消したのは本丸の母燭台切だった。
｢昔話もその辺にして夕餉にしよう｣
にこやかに笑い軽く手を叩くと少しずつ場が緩んでいく。燭台切の気遣いに感謝する審神者は言われた通り席につく。
燭台切に呼ばた彼女が席に着くと右には燭台切、左は山姥切が、目の前は審神者様と座っていた。魚や肉、野菜と料理が並べられ、顕現された彼女には未知なるもので、目を輝かせる。
料理を眺めている彼女の様子にクスリと審神者笑いが手を合わせた。それを真似するように他の刀剣達も動く。
｢いただきます｣
｢｢｢いただきます｣｣｣
｢…今のは？｣
｢食に対する感謝の言葉だよ｣
私達は命を食べてるからね、という審神者に村正も真似て手を合わせる。
｢……いただきます？｣
｢はい、召し上がれ｣
優しく微笑む審神者に何とも言えない顔で村正。そして横にいる燭台切を真似て箸を使うが。
｢掴めない…｣
｢はっ、ダッサ｣
人の形に顕現された彼女は赤子同然で、頑張って掴もうとするが無駄終わる。そして彼女のポロりと零した言葉に罵るのは言わずもがな先程怒らせてしまった大和守。鼻で笑われてるが返す言葉もない。
｢こら、安定!!村正ちゃんには箸は少し早かったね。コッチだと簡単だから｣
差し出されたのはフォークだった。
｢？｣
｢これを刺して食べるの｣
｢ああ、刀みたいな!!｣
｢ちょっと違う！｣
少し違う解釈をする村正に慌てて訂正する。隣にいた燭台切が一緒に手を添えて口まで運ばせた。
｢…おぃ、しぃ｣
｢ほんと！良かった…｣
｢これが、美味しいと言う感情…｣
｢お気に召して光栄だよ｣
｢刀だった頃は何故あんな愉しそうに食すか解らなかったけど、今人の姿になって初めて解った｣
目を輝かせもぐもぐと料理を頬張る彼女の姿に審神者も燭台切も笑顔で見ているとは知らなかった。
●５話 死んでも消えない過去がある→←●３話 同じ魂で生まれたらね
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加州☆鶴丸☆三日月☆一期ファン - 消さないでください！！！！！ (2017年2月25日 21時) (
レス) id: 4110b38b3b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 続きが読みたいです...消さないで。応援してます。 (2017年2月8日 17時) (レス) id: e4d207fc48 (このIDを非表示/違反報告)
ビタミン365日(プロフ) - 水鳥さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです！この作品も話がいっぱいになったので新章を公開したいと考えています。新作のご意見も感謝です！！参考にさせていただきます。 (2017年2月1日 21時) (レス) id: edca99e45f (このIDを非表示/違反報告)
水鳥(プロフ) - 私としてはお話を続けてくださると嬉しいです。新作の方は刀剣女士のものが見たいです。新作もこのお話も楽しみにしています (2017年1月31日 20時) (レス) id: 55fe5a8c04 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください♪(´ε｀ )！ (2016年12月11日 9時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビタミン365日 x他1人 | 作成日時：2015年6月16日 20時
