◎42話 知らぬ間の攻防 ページ46
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ああ、お腹が痛い。
「あの、何で私呼ばれたんですか…。演練の詳細は書類を送るんじゃ…」
「その予定だったがお前が先日村正についての報告書読んで気が変わった」
確かに2日ほど前に審神者は彼女についての報告書を送った。それが何の関係があるんだろうか。もしかして誤字があったのか。書類苦手だから大目に見て欲しい…と心の中で溜息を吐く。
「…もしかして問題がありましたか」
「ああ。だが俺じゃない違う支部の奴だ。確かにお前は安全かもわからん付喪神に勝手に名前まで付けて、更には出陣で重傷まで追いやったけどな」
「返す言葉もありません」
縮こまる審神者に太郎太刀は小さく溜息を吐いた。これは羽月が審神者になってから見慣れた光景である。毎回の様に怒鳴られては謝罪の横暴。きっと主一番の長谷部あたりが見たら斬り殺すに違いない。だか、この暴言も愛の鞭なのを知っている太郎太刀も何も言わないのだ。
「それで違う支部って言うのは…」
「刀剣管理支部」
刀剣管理支部。だらだらと説明しだした凪の言葉を簡単にすると、名の通り刀剣を管理する支部で、新実装されるの刀剣や新たに出現した刀。たまにはバグか発生した物を調査し、異常がないか管理する部署である。
「その支部から村正の神気レベルや今後実装しても問題がないかの検査を演練前の一週間、村正を預かりたいとのことだ」
「反対です」
批判の異を唱えたのは審神者ではなく太郎太刀だった。今まで審神者の説教にも口出ししなかった彼が少し怒気を孕んだ声を出したのには流石の凪も驚く。すかさず審神者も便乗して身を乗り出した。
「そ、そうですよ!霧羽を得体も知れない輩に一週間も預けるなんて無理です!反対です!!」
「わぁーた、わぁーた。もう一度向こうに話す。あとお前は霊力の検査もついでにやってもらうから。鼓連れていけ」
「はい。了解しました」
乱暴に頭を搔きながら鼓をよべば笑顔で何枚かの書類を凪に渡しながら審神者を連れて行く。
「うわっ、鼓さん押さないで下さい!あ、凪さんちゃん話つけて下さいね!!」
「おー…」
「太郎さんはここで待ってて下さい!!」
「わかりました」
鼓に押されながら連れて行かれる審神者の背中を見送る。
ドカリとソファに腰掛け煙草に火をつける。神様の前失礼極まりないが太郎太刀は気にしない。残された部屋に煙たい匂いが充満し始める。
〇43話 煙となって消えるside凪→←◎41話 視線が合う3秒前
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加州☆鶴丸☆三日月☆一期ファン - 消さないでください!!!!! (2017年2月25日 21時) (レス) id: 4110b38b3b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 続きが読みたいです...消さないで。応援してます。 (2017年2月8日 17時) (レス) id: e4d207fc48 (このIDを非表示/違反報告)
ビタミン365日(プロフ) - 水鳥さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです!この作品も話がいっぱいになったので新章を公開したいと考えています。新作のご意見も感謝です!!参考にさせていただきます。 (2017年2月1日 21時) (レス) id: edca99e45f (このIDを非表示/違反報告)
水鳥(プロフ) - 私としてはお話を続けてくださると嬉しいです。新作の方は刀剣女士のものが見たいです。新作もこのお話も楽しみにしています (2017年1月31日 20時) (レス) id: 55fe5a8c04 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 面白かったです!頑張ってください♪(´ε` )! (2016年12月11日 9時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ビタミン365日 x他1人 | 作成日時:2015年6月16日 20時