〇３６話 来てくれたのは彼ですside審神者 ページ40
｢……宗三左文字と申します。貴方も天下人の象徴を侍らせたいのですか……？｣
宗三左文字だった。
｢何ですか。僕を呼んだのは貴方でしょう。挨拶もまともに出来ないんですか？｣
｢え、…あ、はい！審神者です。よろしくお願いします！！｣
鍛刀が成功した喜びで返事が遅れるて慌てて答える。それでも宗三さんは口元を隠し、冷めた目で私を見る。ひぇ、誰か助けてくれ。
｢ご主じーん。鍛刀は成功しましたかー？｣
｢霧羽！！｣
その沈黙を破ったのはあとから鍛冶部屋にやって来た霧羽だった。流石私の女神！！
｢…むら、まさ｣
｢あら？貴方は…、ぐえっ！｣
霧羽が口を開いた途端、宗三さんが霧羽に抱きついた。その勢いに対応出来なかった霧羽はガシャーンと資材や鍛冶道具巻き込んで大きな音たて、倒れ込んだ。私の傍にいる妖精さんも真っ青だ。
｢だ、大丈夫！？｣
｢いたたた、｣
頭を擦りながら起き上がる霧羽を心配しながら、押し倒した宗三さんは、未だに霧羽の首をホールドして離さない。ただひたすらに、村正、村正と消えてしまいそうな声で呟いている。何か訳ありかな…。
｢き、霧羽は宗三さんと知り合い？｣
｢あー…、まぁ、顔馴染みですかね。｣
霧羽が肩に顔を埋めている宗三さんの頭を手馴れたように撫でた。こんな時に不謹慎だけど、すごくそれが絵になって見惚れてしまう。私の頭を撫でる時とは違う表情に同じ女でもドキリど顔が赤くなる。
｢そ、そうだ。本丸の案内は霧羽に任せようかな！！｣
｢え、小生にですか？ですが、ご主人に、｣
｢うん！でも二人にも積もる話があるだろうし、私のことは後ででいいよ！！｣
そら、行った行ったと、無理やり鍛冶部屋からおいだした。終始ごねていたけど、主命の一言で片付けた。
霧羽と宗三さんが知り合いと言うことは過去に、会ってることだよね。
確か宗三左文字は天下人が持っていた刀だよね。なら、関係があるのは織田に豊臣、あとは徳川か…。長谷部も霧羽に会ったことがあるから、織田の時代かなぁ…。でも、薬研とは初対面っぽいし…。
｢だー！！わっかんない！！｣
思わず自分の頭を掻き毟る。考えれば考える程難しくなってく。直接本人に聞けばいいのだけれど、何となく気が引けるし。
｢…もう、考えるのよそう。まずは歓迎会の準備だ｣
妖精さん達にお礼をいい、家事担当の光忠に相談すべく鍛冶部屋を出た。
だけど、後に私はこの時の自分に後悔する。もっと彼女のことを知っていればと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 377人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
加州☆鶴丸☆三日月☆一期ファン - 消さないでください！！！！！ (2017年2月25日 21時) (
レス) id: 4110b38b3b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 続きが読みたいです...消さないで。応援してます。 (2017年2月8日 17時) (レス) id: e4d207fc48 (このIDを非表示/違反報告)
ビタミン365日(プロフ) - 水鳥さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです！この作品も話がいっぱいになったので新章を公開したいと考えています。新作のご意見も感謝です！！参考にさせていただきます。 (2017年2月1日 21時) (レス) id: edca99e45f (このIDを非表示/違反報告)
水鳥(プロフ) - 私としてはお話を続けてくださると嬉しいです。新作の方は刀剣女士のものが見たいです。新作もこのお話も楽しみにしています (2017年1月31日 20時) (レス) id: 55fe5a8c04 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください♪(´ε｀ )！ (2016年12月11日 9時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ビタミン365日 x他1人 | 作成日時：2015年6月16日 20時
