●３２話 良薬は傷に熱し ページ34
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｢もう外に出ていいのか？｣
部屋の前の縁側に座り込み、ボーッと外を眺めていた鶴丸殿が現れた。気配をよみきれず肩がピクリと揺れる。
｢こうも部屋に閉じこまっていると気も滅入ります｣
｢ははっ、それもそうだな｣
カラカラと笑いながら己の隣に鶴丸殿が座った。
本丸帰還後、小生はすぐに倒れた。それを迎えに来ていたご主人がすごい(刀剣男士曰く、今までに見たことないくらいの)形相で手入れをしたらしい。
その後も３日間、小生は目を目を覚まさず起きた時はご主人や短刀達が泣きながら抱きついてきた。
連続の重症者の手入れや本丸の維持の為、完全に手入れが出来なかったらしく、太股と脇腹が微かに傷が残る。ご主人の霊力で傷が治るまで絶対安静の命を出され、今は大人しく自室で過ごしている。本当はいつもの場所に行きたいが、我慢だ。
｢安定殿はどうですか？｣
｢君と同じで外に出れずふてくされてるよ｣
容易に想像できる光景に思わず笑った。
ひとしきり笑った後の静寂。いつもと違う鶴丸殿の様子に首を傾げる。きっと今頃、誰かを驚かせくると部屋を走り回るのに今日は大人しい。
｢鶴丸殿？｣
｢…すまなかった｣
凛とした声がやけに響いた。同じ金色の瞳が己を見つめる。今にも泣きそうな顔で表情を歪め、いつも愉しそうに笑う彼とは正反対だ。予想外の事に動かずにいると、鶴丸殿の白い手が服越しに太股の傷口をなぞる様に撫でた。
｢約束とはいえ、君を置いて行った｣
｢それは鶴丸殿のせいじゃないです。小生が勝手に突きだしただけで…！！｣
｢それでも、謝らせてくれ｣
｢本当にすまない｣と彼は続ける。
｢今度は俺が君を守ると誓おう｣
｢約束でなく、誓いですか｣
｢それはまた、力の強い呪いを…｣と呆れて言えば、小さく彼は笑った。
｢…この傷も早く直ればいいんだが｣
悲しそうに眉を寄せ笑えば、彼の顔が傷口に近付き。
｢…っ……｣
｢……、どうだ、驚いたか？｣
唇を口づけた。
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加州☆鶴丸☆三日月☆一期ファン - 消さないでください！！！！！ (2017年2月25日 21時) (
レス) id: 4110b38b3b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 続きが読みたいです...消さないで。応援してます。 (2017年2月8日 17時) (レス) id: e4d207fc48 (このIDを非表示/違反報告)
ビタミン365日(プロフ) - 水鳥さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです！この作品も話がいっぱいになったので新章を公開したいと考えています。新作のご意見も感謝です！！参考にさせていただきます。 (2017年2月1日 21時) (レス) id: edca99e45f (このIDを非表示/違反報告)
水鳥(プロフ) - 私としてはお話を続けてくださると嬉しいです。新作の方は刀剣女士のものが見たいです。新作もこのお話も楽しみにしています (2017年1月31日 20時) (レス) id: 55fe5a8c04 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください♪(´ε｀ )！ (2016年12月11日 9時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビタミン365日 x他1人 | 作成日時：2015年6月16日 20時
