●３１話 続きを教えて ページ33
｢フェイントに見せかけて攻撃！｣
｢我が一振りは、暴風のごとし！｣
｢予想外だったか？ガラ空きだせ！｣
｢俺は、偽物なんかじゃない！｣
｢触れれば切れるぞ！｣
第三者達の声と共に次々と遡行軍が倒れていく。目の前の敵が倒れ、べちゃりと顔に血が飛び散った。
呆然と見上げれば見知った“白”と目が合う。彼は驚いたように目を見開き己の名を詠んだ。
｢霧羽っ！！｣
その一声で一斉に視線が己に刺さり、皆こちらに駆け出してくる。隣にいた安定殿が安心したように息を吐いた。
｢霧羽、無事か！？｣
｢鶴丸殿…。本丸に帰れたんですね。他の方々は｣
｢君のおかげで、皆折れずに帰還できた｣
｢そう、ですか…｣
｢ちょっと僕もいるんだけど｣
｢ああ、大和守も無事で何よりだ！！｣
｢霧羽大丈夫！？｣
｢お前もかよ、チビ！！｣
｢ちょっと、助けに来たって言うのに第一声がそれ！？｣
どうやら安定殿は自分が空気扱いされたのが気に入らなかったらしく、後から駆けつけた加州殿に八つ当たりした。状況がわかってない加州殿は殴られて涙目だ。
さっきまでの緊迫感が嘘のように賑やかになる光景に思わず笑ってしまった。
｢霧羽殿、失礼します｣
｢い"っ、わ、ちょっ…！｣
頭上に陰がかかり、急な浮遊感。いきなり動いた為、身体が痛い。だが己の体制を見て目を見開く。
｢お、おろしてっ、｣
｢君はボロボロだろう？今は太郎太刀に担げられておけ｣
｢何なら俺が抱こうか？｣とからからと笑われる。いや、笑い事ではない。太郎太刀殿の腕が膝裏と肩に添えられて横抱きにされているのだ。何故こうなった。
じたばたと降りようと抵抗するが、既に体力が底つきていた為暫くして諦めた。安定殿は加州殿と和泉守殿に肩をかされていた。されるがままに太郎太刀殿の胸に頭をおけば、己の気とは違う清らかな気が肌を撫でる。
｢太郎太刀殿…｣
｢なんでしょう？｣
｢貴方の様な御神刀が小生を担げば気分が悪くなるのでは？｣
刀剣になったとはいえ元は妖。他の刀剣男士達と比べても妖に近く、邪の気も多い。太郎太刀殿の様な神力が高い刀剣には己の気は気持ちいいものではないだろう。
｢確かに貴方の気を見ていて禍々しいですが｣
｢……｣
｢悪いモノではありません、むしろ……｣
｢？？｣
言葉が止まる太郎太刀殿を見上げれば、すぐに目を逸らされた。安定殿と似た様な反応に首を傾げる。｢帰還するぞ｣と誰かの声を合図に、シャリンとゲートが開いた。
●３２話 良薬は傷に熱し→←●３０話 ヒーローは遅れてやってきました
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加州☆鶴丸☆三日月☆一期ファン - 消さないでください！！！！！ (2017年2月25日 21時) (
レス) id: 4110b38b3b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 続きが読みたいです...消さないで。応援してます。 (2017年2月8日 17時) (レス) id: e4d207fc48 (このIDを非表示/違反報告)
ビタミン365日(プロフ) - 水鳥さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです！この作品も話がいっぱいになったので新章を公開したいと考えています。新作のご意見も感謝です！！参考にさせていただきます。 (2017年2月1日 21時) (レス) id: edca99e45f (このIDを非表示/違反報告)
水鳥(プロフ) - 私としてはお話を続けてくださると嬉しいです。新作の方は刀剣女士のものが見たいです。新作もこのお話も楽しみにしています (2017年1月31日 20時) (レス) id: 55fe5a8c04 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください♪(´ε｀ )！ (2016年12月11日 9時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビタミン365日 x他1人 | 作成日時：2015年6月16日 20時
