●３０話 ヒーローは遅れてやってきました ページ32
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｢ん…｣
太陽の光が洞穴の隙間から差し込み目が覚める。日の出ぐらいだろうか、まだ、太陽は真上までいってなかった。
横には傷が痛むのか、時折呻き声を出しながら安定殿が眠っていた。起こすこと忍びないが早めに行動しなければまた、敵に遭遇する確率が高くなる。
｢安定殿、安定殿…｣
｢、…｣
｢起きて下さいな｣
｢ゔう〜、……？｣
｢もぅ、………安定、起きて｣
｢……ん、霧羽。………今何時｣
｢わかりません。でも、日の高くないので朝方だと思います｣
｢そう…｣
傷がズキズキと痛み、安定殿に巻いてもらった布は赤く滲んでいる。ああ、人の身体は実に面倒だ。妖の時だったなら穢れでも喰らえば直ぐに消えるのに。神になったとしても前の方が幾分か都合が良かったとひとりごちに思った。
｢さて、敵の襲撃に合う前に本丸へ向かいましょう｣
｢だよね、わかった｣
洞穴を出れば検非違使ではないが、遡行軍と遭遇してしまった。全力で走るものの、二人とも満身創痍で直ぐに追いつかれる。
折れる覚悟で敵に立ち向かい、目や腱を斬りつけるだけにして逃げる。
｢霧羽っ！！｣
｢ぐっ…｣
敵の攻撃に避けきれず太股に刀が突き刺さり痛みで膝をつく。無理やり刀を抜き、バキリと折ると敵が唸り声と共に消えていく。太股からはとめどなく血が流れた。
｢霧羽、無事！？｣
｢まだ、大丈夫です…｣
立ち上がろうとするが、ガクリと力が抜ける。連日の戦いで体力も気力もいっぱいいっぱいだった。
こうしてる間にも遡行軍が続々と近づいてくる。
｢安定殿、逃げて｣
｢馬鹿言わないでよ、置いていく訳ないでしょ！！｣
｢だけどっ！！｣
｢もう、仲間が折れるところを見たくないんだ！！｣
｢っ…｣
小生を背中で庇い敵と向き直る安定殿。遡行軍が悲鳴にも似た声をあげ、太刀を大きく振りかざした。
｢そぉら、目潰しだ！！｣
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加州☆鶴丸☆三日月☆一期ファン - 消さないでください！！！！！ (2017年2月25日 21時) (
レス) id: 4110b38b3b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 続きが読みたいです...消さないで。応援してます。 (2017年2月8日 17時) (レス) id: e4d207fc48 (このIDを非表示/違反報告)
ビタミン365日(プロフ) - 水鳥さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです！この作品も話がいっぱいになったので新章を公開したいと考えています。新作のご意見も感謝です！！参考にさせていただきます。 (2017年2月1日 21時) (レス) id: edca99e45f (このIDを非表示/違反報告)
水鳥(プロフ) - 私としてはお話を続けてくださると嬉しいです。新作の方は刀剣女士のものが見たいです。新作もこのお話も楽しみにしています (2017年1月31日 20時) (レス) id: 55fe5a8c04 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください♪(´ε｀ )！ (2016年12月11日 9時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビタミン365日 x他1人 | 作成日時：2015年6月16日 20時
