●２９話 仲直りです２ ページ31
*
｢霧羽｣
｢なんですか？｣
｢霧羽、って呼ぶよ｣
｢…そーですか｣
｢だから僕の事も安定でいいよ｣
｢安定殿？｣
｢殿も敬語もいらない｣
｢えー…｣
呼び捨ては出来ないと言えば顔を顰められた。でも、これは譲れない。
｢徐々に慣れていきます｣
｢……わかった｣
納得いかない様な返事をされたがへしくん以外は基本敬語だし、いきなりは無理だ。
｢それよりも、そろそろ少し眠りましょう。この暗さだと夜でしょうし、明日は本丸に帰る為に動きますよ。ご主人にも帰るって約束しましたし｣
｢でたよ、主バカ。長谷部かよ…｣
｢へしくんと同じにしないで下さいな。あんな下心があるヤツとは違います｣
｢は？長谷部が主に？いや、どっちかって言うと主よりも霧羽に……｣
｢？｣
｢いや、何でもない｣
ブツブツとひとり呟く安定殿に首を傾げるが、気にしなくていいとの一言。……教えてくれてもいいのに。
安定殿と二人で寄り添いながら、身体を寝かす。お互い、傷だらけの満身創痍だ。身体を横にする際、二人で呻き声を上げた。それに二人で笑い合う。
｢安定殿…｣
｢なに？｣
｢あの時はごめんなさい…｣
｢気にしてないよ。て言うか今更？｣
｢ゔ…。でもちゃんと謝ってなかったので｣
｢別にいいよ。次をちゃんと勝つから｣
｢小生だって負けません｣
洞穴の天井を見上げた。案の定真っ暗で何も見えない。無意識に手を伸ばした。
｢霧羽…｣
｢はいはい｣
｢その、……｣
｢？｣
｢手、握っても…いい？｣
｢……………｣
思ってもない言葉に目を見開き横を見る。目が合えば向こうも目を見開き、照れくさそうに逸らされた。
｢そんなに見ないでくれる？｣
｢いや、驚きまして｣
｢ちょっと人肌恋しいの、…だから｣
｢………｣
｢オラ、さっさと手出して｣
｢いだだだだ！！｣
乱暴に引っ張られた腕が痛い。それでも、傍にある小さな温もりが安心出来てすぐに意識は暗闇に堕ちていった。
この痛みも苦しさも共に
(霧羽？)
(……………)
(寝たの？)
(……)
(…)
(……ありがと)
(………)
(今度は僕が守るから、折れないでね)
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加州☆鶴丸☆三日月☆一期ファン - 消さないでください！！！！！ (2017年2月25日 21時) (
レス) id: 4110b38b3b (このIDを非表示/違反報告)
七瀬 - 続きが読みたいです...消さないで。応援してます。 (2017年2月8日 17時) (レス) id: e4d207fc48 (このIDを非表示/違反報告)
ビタミン365日(プロフ) - 水鳥さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです！この作品も話がいっぱいになったので新章を公開したいと考えています。新作のご意見も感謝です！！参考にさせていただきます。 (2017年2月1日 21時) (レス) id: edca99e45f (このIDを非表示/違反報告)
水鳥(プロフ) - 私としてはお話を続けてくださると嬉しいです。新作の方は刀剣女士のものが見たいです。新作もこのお話も楽しみにしています (2017年1月31日 20時) (レス) id: 55fe5a8c04 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください♪(´ε｀ )！ (2016年12月11日 9時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビタミン365日 x他1人 | 作成日時：2015年6月16日 20時
