【進撃の巨人】風使いと異能兵団・探偵社班【文スト】

人事万事塞翁が巨人 ━其ノ渋━ ページ10

Aside


ｻﾞｻﾞｻﾞｯ


母親が食われるのを目の当たりにしてから餓鬼は放心したように静かになった。
･･･そりゃ、そうなるだろうねぇ。
まぁ、先刻より暴れないから楽だ。
サッサと太宰達と合流して、この世界の事を調べよう。
私がそんな事を考えながら走っている時に、奴は来た。
そう、突然。


ﾎﾞｯ


『っ！？』


風圧が躯を襲う。
私達は全員吹き飛ばされた。
横から凄まじい風が吹いて来たのだ。
私は素早く立ち上がり、風が吹いてきた方を見た。
目を、疑った。


『おいおい、何匹居やがんだい？』


目の前には無数の巨人。
こりゃ、不味い。
幾ら私と言えど、怪我無しでこの三人を守るのは難しい。
ならば、やる事は一つ。
私は三人に背中を向けて言い放った。


『おい、おっさん。

その餓鬼二人連れて逃げな。』


「「「！？」」」


私の言葉に三人が呆気に取られたのを背中で感じた。


「あんた、流石にこの数は無理だ！


一緒に逃げるぞ！」


私はおっさんの言葉に口角を上げた。


『･･･おい、餓鬼共。

私はねぇ、あの女とお前らを安全な場所に連れてくって約束したんだよ。


私は約束は守る女だ。

でも、今回ばかりは仕方がねぇ。連れては行けねぇが、その間接的な手伝いに回るよ。





じゃぁな、お互い生きてりゃまた会おう。』


私は巨人達に突っ込んだ。

或る調査兵団 ━其ノ壱━→←人事万事塞翁が巨人 ━其ノ捌━

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す