冷淡政務官の大嫌いな人は緑色の政務官でした (ページ43)

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第百九十六夜立場逆転ページ43

～黄香side～

サーリエは私から離れ、私は、レイラの手を握っていた。

サ「………悪かったな」

サーリエが口を開いた。

サ「俺が、余計なことを言ったから。レイラはジャーファルへの気持ちを消すハメになってしまった」

そう言うとサーリエはうつむいた。

よく見ると、泣きそうになっている。

サ「とにかく、レイラたちからジャーファルの気持ちを消したかった。完全じゃなくてもいい、忘れてくれるだけで良かった。ジュダルがいる、組織のことしか考えてなかった。自己中だよな」

サーリエは拳を握りしめた。

サ「すまねぇ、本当に………」

黄「サーリエ………」

サーリエは私と寝ているレイラに謝り、涙を流した。

黄「そんなこと言ったってしょうがないよ。もう過ぎちゃったことなんだしね」

サ「でも本当は納得できないんだろ…？」

黄「……………」

否定できない。

…………でも、納得しないとレイラが悲しむ。

でも、認めたくない。

サ「別に許さなくてもいいよ、俺のこと」

黄「…………は？」

サ「今ある状況を俺に置き換えると、俺は大切な人…………『ジュダルを諦めろ』って言われてるわけだろ？」

なんなのその例えは…………

サーリエらしいけど。

サ「そんなこと言われたら俺、耐えられねぇよ」

黄「だから、そんなことを言った自分を許さなくてもいい……と？」

サ「………ああ」

黄「わけ分かんないよ。それに、そんな事ぐらいでサーリエのこと嫌いにならないよ」

私がそう言うと、サーリエはもっと涙を流した。

結構サーリエって泣き虫だな………

サ「………本当、すまねぇ」

黄「いちいち泣かないの」

私は、サーリエの頭を撫でた。

先程とは立場が逆転した。

……………そう言えば、サーリエって年下じゃない？

私、年下に慰められていたってこと！？

…………恥ずかしい。

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ネタバレにならない程度に、ですが。