冷淡政務官の大嫌いな人は緑色の政務官でした (ページ42)

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第百九十五夜まるでページ42

～黄香side～

『親友、でしょ？』

そう言い残しレイラは倒れた。

正直、なんであんなことを言ったのか理解できない。

元々私たち、親友でしょ………

サ「起きねぇな、レイラ」

黄「………うん、そうだね」

レイラはジャーファルさんのこと嫌いになるっていうか、好意を一切取り払うって言ってたけど…………

本当に、レイラはそれを望んでいたの？

本当は諦めたくなかったんじゃないの？

サ「まあまあそんな暗い顔すんなって」

サーリエが私の頭をポンポンと叩いた。

黄「ねぇ、サーリエ。本当にこれで良かったのかな？」

私はサーリエに言った。

サ「さぁなでもレイラが選んだ道なんだ。好きにさせてやれよ」

黄「そう…だね……」

でも、そうしたら今までのレイラの気持ちはどうなるの？

私にとっては良いかもしれない。

でも、でも…………っ。

黄「レイラっ………」

私は、ベッドの上に横たわっているレイラの手を握った。

黄「私は、納得できないよ。今までの時間はどうなるの……ジャーファルさんを好きだった時間は？」

私は、気づくと涙を流していた。

「止まれ」と念じても、念じるごとにどんどん溢れてくる。

泣いちゃ駄目、駄目なのに……

サ「………黄香」

サーリエは切なげに呟いた。

そして、私を後ろから抱きしめた。

優しく、包み込むように。

落ち着かせるように。

黄「……サーリエ？」

そう言うと、サーリエは抱き締める強さを強めた。

サ「大丈夫だ。お前らも、ジュダルも俺が守る。絶対だ」

そう言って、サーリエは悲しく微笑んだ。

なんで、サーリエがそんな顔をするの？

黄「………私、レイラのためならジャーファルさんのこと諦めても良かった。堕転が何？そんなの関係ないよ。長が何？どうでもいいじゃん」

サ「………………」

でもどうせ、目を覚ましたら忘れてるんだ。

ジャーファルさんへの恋心も、ドキドキしていた時間も全て。

_____まるで最初から無かったかのように。